1998年10月9日第三種郵便物認可(毎月3回8の日発行)
2008年3月15日発行SSKU増刊通巻第2734号
SSKU

特定非営利活動法人 タートル 情報誌
タートル 第2号
NPO法人タートル設立祝賀会特集号

目次

【巻頭言】
監事 大橋由昌
【NPO法人タートル設立祝賀会記録】
経過報告
主催者挨拶(理事長 下堂薗 保)
来賓祝辞・中途視覚障害者の雇用継続支援についての一言
  1. 吉永和生氏(厚生労働省障害者雇用対策課長)
  2. 輪島 忍氏(日本経済団体連合会雇用管理グループ長)
  3. 長谷川裕子氏(日本労働組合総連合会総合労働局長)
  4. 湯沢美都子氏(日本眼科学会理事)
  5. 高橋 広氏(日本ロービジョン学会理事)
中途視覚障害者と働く、我が社の場合
主な方からの祝辞
【祝辞】
古野史郎氏(日本眼科医会常任理事)
田淵昭雄氏(日本ロービジョン学会理事長)
【祝電】
【メールによるメッセージ】
【編集後記】

【巻頭言】
「変容する見え方と就労」

NPO法人タートル 監事 大橋由昌

『点字毎日』の2008年2月17日号に、「ジョブコーチ育成が急務」―― NPO法人タートル祝賀会 ――」という見出しで、2月11日に東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開かれた「設立祝賀会」を報じています。記事には、「祝賀会には、会員や支援者をはじめ約120人が参加した。来賓には、眼科医、経済団体、労働者団体、そして障害者雇用行政の担当者が招かれ、それぞれの立場から連携の必要性について言及、さっそくロービジョンケアなどでマンパワーが不足しているとの問題点も指摘され、課題を共有する形となった。」とあります。

このNPO法人タートルは、2007年11月12日に東京都から認証され、同年12月3日に登記が完了し設立となりました。前身は、1995年に結成した「中途視覚障害者の復職を考える会(通称:タートルの会)」で、一般就労に特化した活動を行ってきた任意団体です。ここでいう「中途失明」とは、「人生半ばにおいて、疾病またはけがなどで視覚障害者となった人」の意味だと思います。

したがって、私のように7歳のとき、ペニシリンショックで失明したものなどは、中途失明とはいわれません。「後天盲」などと呼ばれます。視覚障害者になって半世紀。定年間近な年齢になりますと、弱視だった友人たちの多くが、視力低下で日常生活や仕事上の問題などで、悩んでいる姿を見聞きします。眼科医に相談しても、「もともと目が悪かったのだから・・・」と、親身になってもらえないようです。盲学校を卒業していれば、点字や歩行などの訓練も積んでいるのだろう、という認識なのでしょう。

しかし、盲学校においても、見えるころからアイマスクをして歩行訓練に取り組む弱視者はほとんどいません。0.1の者は、0.1の見え方の世界で、0.06の者は、0.06の見え方の世界で生きてきたわけです。軽度の視覚障害だけに、かえって視力低下の悩みの相談先がないというのも皮肉な現実です。

NPO法人タートルは、今後不特定多数の人を対象に活動しなければなりません。だとすれば、障害が重度化した人たちからの相談など、幅広い対応を求められることが予想されます。私は、盲学校卒の後天盲として、こうした広義の「中途失明者」の支援をしていきたいと考えています。

また、任意団体だったタートルの名称に、「職場復帰」とあるように、事務系職種への就労を主に、会運営は行われてきました。IT機器の活用や、職場介助者の配置など、一般就労は、なおいっそう着実に進んでいくことでしょう。しかし、個々人の状況によっては、あはき(あん摩・マッサージ・指圧、鍼、灸)への転職が望ましいと思われる事例も見受けられます。私は、企業で働くあはき師として、そうした方への相談と助言の役割を果たしたいとも決意しています。


【NPO法人タートル設立祝賀会記録】

経過報告

平成20年2月11日(月)、午前11時からアルカディア市ヶ谷(私学会館)にて開催された「NPO法人タートル設立祝賀会」は、116名という多数の方々に参加いただき、午後2時に盛況裡に終えた。

理事の新井愛一郎とNHK報道部の野町かずみ記者の2人が司会を務めることとなり、主催者挨拶に先立ちタートルの大まかな沿革が野町氏の朗読により紹介された。

最初に主催者を代表して下堂薗保理事長の挨拶があり、ついで役員の紹介が理事長からなされた。副理事長の松坂治男、事務局長の篠島永一、理事の安達文洋、新井愛一郎、石山朋史、工藤正一、杉田ひとみ、そして監事の大橋由昌の8名である。

次に工藤理事が来賓の5名の方々を紹介しながら、行政から障害者雇用対策課の吉永課長、雇用側から日本経団連の輪島雇用管理グループ長、労働者側から連合の長谷川総合労働局長、さらに医療関係者の代表として、日本眼科学会の湯沢理事、日本ロービジョン学会の高橋理事から、「祝辞・中途視覚障害者の雇用継続支援についての一言」を述べていただいた。共通するキーワードは、「連携と協力」であった。

また、「中途視覚障害者と働く、我が社の場合」として、6社の代表あるいは上司と当事者、それぞれから一言ずつ、会場の皆さん全員に強い感動を与えるメッセージをいただいた。午前にNTTクラルティ、沖ワークウエル、C社の3社から、午後に国際紙パルプ商事、日本電産サンキョー、熊谷組の3社の順に話を頂戴した。

なお、昼休みに入る前に、視覚障害教師の会の山口通代表から「教壇に立つ教師たち」という新刊本の寄贈がNPO法人タートルにあり、下堂薗理事長がこれを有難く受けた。
この後、篠島事務局長が乾杯の音頭をとり、昼食休憩に入った。
午後からは上述の企業の話の後、参加者の中から7名の方に祝辞をいただいた。

祝電の読み上げは1つだけとし、頂戴した祝電の送り主のみ全員を読み上げ、それが終えてから、参加者のお名前だけ読み上げて返事をしてもらう形をとった。誠に時間がなくて失礼でしたが、皆様ご了解いただき、最後に松坂副理事長の閉会の挨拶をもって無事終了した。

最後に時間が足りなかったとはいえ、参加の皆様に発言の機会もなく失礼をしましたこと、衷心よりお詫び申し上げます。


主催者挨拶

下堂薗 保(特定非営利活動法人タートル理事長)

皆さん、おはようございます。NPO法人タートル理事長の下堂薗 保と申します。

高い所から恐縮ですが、主催者を代表しまして一言ご挨拶申し上げます。本日は皆様方におかれましては、ご多忙中のところ、私どもNPO法人タートルの設立祝賀会にご臨席たまわり誠にありがとうございます。お蔭さまでかくも盛大な祝賀会を開催することができたことにつき、主催者を代表し、心から厚く御礼を申し上げます。

私どもは故松井新二郎先生の励ましを受け、任意団体を立ち上げてからおよそ13年間、視覚障害当事者の就労相談とか、交流会等で学習してきました。そのような中で、一方では、IT機器等を駆使しながらしっかり働いている人がいるかと思うと、片方では、解雇されてしまうという現実を目の当たりにしてきました。こういう解雇される現実を目の当りにし続けているうち、任意団体のままではやはり限界があるのではないかということと、どうせボランティアをやるなら社会的に認知されたNPO法人として、視覚障害者でも働けるということをより効果的にご理解いただき広めることが、私どもが目指す視覚障害者の就労継続、あるいは雇用継続につなげられるのではなかろうかという思いで、NPO法人タートルに移行いたしました。

そういう思いで、私どもがキーワードとしているのは、連携と協力です。その、連携と協力を本日110名を超す方々の参加をいただき、名実ともに実証し得る幕開けになったのではなかろうかと気持ちを高ぶらせています。

本日は、視覚障害者の雇用対策の中心におられる、厚生労働省障害者雇用対策課長の吉永和生様をはじめとする関係者を来賓としてお迎えし、また、現に視覚障害者を雇用し、一緒に働いている6社の企業の方々、ほかにも多くの関係者にご参加いただきました。後ほど、お言葉を頂戴いたしますが、皆様方には、色々なことをたくさんお聞きしたかったのですが、持ち時間が短くなってしまった点をまずお断りしたいと思います。

ただ、頂戴しますお話は、私ども視覚障害者にとって、就労、あるいは雇用について必ずヒントになるものをいただけるのではなかろうかと期待し、胸をときめかせております。

さて、昨年は人事院と厚生労働省から中途視覚障害者の就労継続支援に関する2つの大きな画期的な通達が発出されました。さらに、2月3日付けで厚生労働省は、「障害者就業支援を強化・雇用義務違反企業、罰金の対象拡大」という通達を出したことが、日経ネットで報じられていました。

このような行政の措置を私どもは「潮目が変わった」と認識しております。NPO法人タートルは、この変わった潮目を追い風として、通達が絵に描いた餅にならないようにきっちり定着させるように周知徹底してゆく所存であります。

今年は、明治維新から140年に当たるそうです。これにちなみ中途視覚障害者の雇用促進、拡大が普く広がることを願い、「連携と協力」をもってその実現に尽力していきたいという気持ちを表明し、私の挨拶とさせていただきます。


来賓祝辞・中途視覚障害者の雇用継続支援についての一言

吉永和生氏(厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課長)

本日は、NPO法人タートルの設立祝賀会がかくも盛大に開かれますことを心よりお祝い申し上げます。

私どもにとって一番重要なことは、障害のある求職者の就職を図っていくことです。この中で、障害者の方の求職活動をお手伝いするということでは、やはり事業主の理解と協力が必要だと考えています。そして、さらに、どのように雇用の安定を図り、どのように雇用の継続を図っていくのかが課題であります。私どもは直轄の機関として全国に560箇所ほどのハローワークがありますので、こうした機関を通じながら実現していくということが、私どもの使命です。

こういった中で、就職をするということは、健常者の方でももちろん大変な部分がございますが、障害者の方はさらにいろいろな大変な部分がございます。特に人生半ばで視覚障害となられた方々、この辺りはやはり、私どもの想像に余るところがあるのではないかというふうに思っております。何とか、雇用の継続を図っていくということが、まさに重要な課題だと思います。

また、近年、IT技術が発達しております。視覚障害者の方々の職域も非常に広くなってきているのではないかと思っております。重度の視覚障害者の方々でも、事務的な職種で働くことが可能になってきています。

一方、眼科医療におきましては、単に治療だけではなく、保有視覚機能を最大限に活用して、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目的とした効果的な視覚障害リハビリテーションであります、ロービジョンケアへの理解と関心が深まっております。実際にロービジョンケアを行っていただきます医療機関も増えてきていると聞いております。

的確な支援によって、継続雇用が図られるということと、このようなことを通じまして、当事者にとってはもちろんのこと、対象者が培ってきたノウハウを維持できる、企業にとってもメリットがあるものだろうと思っております。

昨年の、12月19日に労働政策審議会で意見書を取りまとめていただきました。この中では、視覚障害者に対する継続雇用の支援のためには、ロービジョンケアなども含めた支援を行うことが必須である、ということも記載がなされているところでございますが、これはこういった背景によるものだと思っております。このような状況を十分に認識しながら、事業主に対する啓発支援、指導に取り組んでいきたいというふうに考えております。

そこで、先ほど理事長のお話の中にもありましたが、昨年の4月17日になりますが、「視覚障害者に対する的確な雇用支援の実施について」という通知を出させていただきました。これは、労働局に対するものではございますが、これまでもちろん障害者雇用に対する通知は、随時出しておりますが、視覚障害者の方にしぼった通達というのは、初めてのものでございます。

とくにハローワークにおける視覚障害者の支援の中で、「求職視覚障害者の就職支援」と、「在職視覚障害者の継続雇用支援」(失業の防止)というものが二本柱であるということをこの通知書の中で明確にしまして、それぞれの支援を的確に行うためのポイントを示したものであります。

特に重要な点は、ハローワークだけでは問題を解決するということができない場合もございます。こういう場合には、支援団体や関係機関との連携・協力を重視しながらチームによる支援を行い,必要に応じて主治医、眼科医、医療分野の専門家とも協力しながら行うということが、重要ではないかというふうに考えております。

先ほど、理事長が連携と協力というものが重要だとおっしゃっておられましたけれども、その、連携と協力の中でハローワークも一つの機関として、積極的に関与していきたいというふうに考えているところでございます。

またこの通知と同じタイミングで、タートルの会から「視覚障害者の雇用継続支援実用マニュアル」というものを、お出しいただいております。「連携と協力、的確なコーディネートのために」という副題が付いておりますけれども、これをご提供いただきました。

これは、極めて実践的なものでございまして、さっそくすべてのハローワークに配布させていただいたところでございます。先ほどの通知、あるいはこのような、タートルの会でまとめていただきました、実用マニュアルの内容を周知するということ、また実践に役立ててもらうために、またハローワークまたは、眼科医療機関向けに、リーフレットも作成して配布致しております。

一つは、「視覚障害者に対する的確な雇用支援の実施のために、ハローワークが行う視覚障害者雇用支援のポイント」というものでございます。もう一点が、「視覚障害者の雇用の継続のために、眼科医の皆様にご理解いただきたいポイント」というものでございます。この二点をまとめてございます。これらは、厚生労働省のホームページにもアップしてございますので、ご覧いただければと思っております。

このような通知に付きましては、日本眼科医会、日本眼科学会のホームページにも、載せていただいているところでございますし、日本眼科医会の会報誌でございます『日本の眼科』の中にも掲載させていただいたところでございます。このような形で医療機関との連携を、図りながら、さらに積極的な対応をしていきたいと思っております。

ハローワークにおける障害者の職業紹介状況を見てまいりますと、従来、障害者種別ごとのデータというものはあまりとっておりませんでした。いろいろ、お叱りもいただいているところでございますが、平成18年度からは四半期ごとではございますが、ハローワークにおける視覚障害者の就職件数を把握するシステムを入れております。

昨今の状況、19年度の第3四半期までの状況が最新でございますが、こういったものを見ますと、やはり従来型の「三療」の技術を生かした就職というものが5割を超える、6割近くという状況でございます。こういった分野が視覚障害者の方の伝統的な職域であるということが、現状でも続いているということが、一つ言えると思います。

それに比較しますと、若干割合は少ないものではありますが、事務的な職業への就職も着実に増えてきているところでございます。先ほども申しましたような、「IT技術の発展は、視覚障害者の職域を確実に拡大している」ということだと思います。「重度視覚障害者でも、事務的職種で働けることが可能になってきている」ということです。こういうことを、データが示しているのではないかと思っています。

こういったデータを示しながら、特に継続雇用というものについて、厚生労働省の内部におきましても、全国会議、あるいは職員研修等の機会をとらえて職員に徹底しているというところでございます。このハローワーク職員に徹底させるということと、それを通じて事業主の方々への支援を強化していくということ、このような形で、中途視覚障害者の方の継続雇用というものにつきまして、万全を期していきたいというふうに考えております。

本日、当事者の方々が、会社のトップの方、あるいは、人事担当者の方と連れ立ってこの会にご参加いただいているということ、これは非常に重要なことだと思います。視覚障害者の方々が、企業で働くためには、やはり何よりも企業の理解と、働く同僚の支えというものが大切なのだろうと思っております。

また日本経団連から輪島さんあるいは、連合から長谷川さんがご出席いただいております。また眼科医会の代表の方にもご出席いただいていると聞いております。こういう方々を中心にして、中途視覚障害者の方々が、安心して働けるということ、企業が安心して支えていけるということ、こういったことを、私どもとしても、最大限支援していきたいと思っております。

先ほど、潮目が変わったというご発言もございました。こういった潮目を私どもも最大限活かして、努力をしていきたいと考えております。最後になりますけれども、タートルの会の益々の発展と、参集の皆様のご健勝を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。


輪島 忍氏(日本経済団体連合会労政第一本部雇用管理グループ長)

おはようございます。ただいま、ご紹介をいただきました、日本経団連の輪島でございます。日頃は、私どもの諸活動について、いろいろご理解、ご協力いただき、また、本日このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。

10数年の任意団体としての実績を踏まえて、本日、NPO法人タートルとして新たにスタートを切るということで、中途視覚障害者の皆さんにとっても、非常に朗報ではないかと思っています。改めてこれまでの活動と、本日このようなかたちで、スタートを切るということに対して敬意を表したいと思います。

先ほど、理事長から潮目が変わったということで、お話がありました。確かに、私どももそのように認識をしています。1つは、先ほどご案内がありました、障害者雇用促進法の改正が、この20年の国会で議論されるということだろうと思っています。

もう1つは、国連での、「障害者の権利条約」が制定をされました。おそらく日本政府としてこれを批准するために、環境整備をするという点で、大きなこれからの動きになると思っています。

1点目の障害者雇用促進法の改正については、本音を申しますと、企業側にとっては、非常に対応が難しい、厳しい内容かなと思っています。内容的には、短時間労働への対応であったり、また除外率の引き下げであったり、中小企業の納付金制度の対応ということです。そういう意味でこれから、企業のほうの採用を実際に増やしていかなければならない。このような対応が必要になるという点で、難しくなると考えられます。

ただ、この大きな3つの改正は、ある意味では、本来あるべき方向性、つまり、暫定措置であったり、猶予措置であったりというようなものが、整理されて、あるべき方向性に向かった改正ではないかと思っています。

そういう意味から、企業側に、私どもといいたしましても、これから法律改正の中身を確定し、法律が通った後、いろいろな方面に周知していきたいと思っています。

2点目の権利条約については、これから、整理をして議論を継承するということになります。雇用の部分で言いますと、いわゆる合理的配慮というようなものを、企業側としてどのように考えるのかということと、いわゆる差別禁止という考え方をどのようにするのか、ということではないかと認識をしています。

その点で言いますと、いわゆる「男女雇用機会均等法」であるとか、昨年施行になりました「改正雇用対策法」で年齢についての入り口部分、採用部分について、禁止規定という法律改正がなされたわけです。

今後は、障害の分野において、差別禁止の法体系と、現在の民間企業に対して、1.8%、割り当て制度、クウォーター制度との整合性を、どのように措置をしていくのかを議論していかなくてはならないという点で、非常に大きな入り口に立っているのではないかと思っています。

ドイツは、昨年か一昨年に、基本的には割り当て制度ですけれども、差別禁止の方向に大きく舵を切りつつ、割り当て制度を残すという法律に移行していると聞いています。個人的には、どのような位置付けになるのかということについて、勉強したいと思っています。そういうことが両立できるのかどうかということも含めて、非常に大きな入り口に立っていると思っています。

一方、視覚障害の点について考えてみると、企業の障害者雇用についての意識や取り組みは、昨今、非常に進展をしてきているのではないかと思っています。ただ、障害の種別といいますか、事業別によりますと、相当隔たりがあるということも、現実であると思っています。

特に、中途視覚障害の場合に、障害を持つ以前は、ある意味で思いのまま行動をされていて、日々の生活においても人間関係においても、そのときの記憶というものが鮮明に残っている中で、障害を得るということについて言えば、非常にとまどいが大きいのではないかと思います。

そういう中で、企業側がどのように今後対応していくのか、ということを研究をしていかなければならないと思っています。在職中に、視覚障害になった場合の一定期間の休養もしくは休職、その後の復職という関係で、どのようにすればソフトランディングできるのかというようなことの研究は、漸く、変わっていく入り口にさしかかろうとしている時期かと思っています。

また、職種においても前職に復帰できるのかどうか、それを受け入れる職場のほうも、本当にそれが可能なのかどうかについては、全く認識に落差があるのではないかと思っています。そういうところで、どのように受け入れを促進していけばよいのかを考えていきたいと思っています。

また、先ほど、吉永課長からもありましたように、従来型の職種と、新しく情報機器を使った職種もあるでしょうし、または、在宅勤務ということも、いろいろ考える必要があるのではないか。そういう意味での在宅勤務での労務管理、雇用管理の企業側のノウハウ、労働時間の算定であるとか、在宅勤務中での事故を労災としてどのように見るのか等々も含めて、いろいろな課題がまだまだあると思っています。

そういった点を、今後一つひとつ、丁寧に議論をして詰めていく必要があるのではないか。また、私どもは私どもなりに、企業側に好事例など、または、なかなか出にくいのですが、例えば失敗事例だとかということで、どのように周知をしていくのかというのが、課題ではないかと思っています。

いずれにしても、いろいろなことが、これから大きく変わっていく入り口にさしかかっているのではないかと思っていますので、私どもの立場で、検討していきたいと思っています。今後ともご指導いただきたいと思っております。本日は、おめでとうございました。ありがとうございました。


長谷川裕子氏(日本労働組合総連合会総合労働局長)

今日は、このような集まりに招いていただきまして、本当にありがとうございました。連合の活動がまた広がるなと、同時に、また私の仕事が一つ増えるなと、そんな思いをしております。
この度は、本当に、NPO法人設立おめでとうございます。2年前、連合本部に、タートルの会の役員をなさっている皆さんが3名で、私の事務所を訪ねてまいりました。そのとき私は、初めて「中途視覚障害の復職を考える会(タートルの会)」を知りました。大変申し訳ありませんでしたが、それまでは知りませんでした。
皆さんとお話をする中で、人生の途中で、視覚障害の告知を受けたことによって、その苦悩と、視覚障害者になって、これまでの仕事を続けることの困難さということについて、考えさせられることになりました。私もかつて、病気をして1年ぐらい休んだことがありますが、それとはもっと異なるものだということについて、なんとも言えない思いで聞いたわけです。
さて、そのとき皆さんに、連合もそのうち障害者雇用問題のシンポジウムをやるから、その時には来てくださいねと約束をして、やっとこの間、戦後としては初めて、障害者に関するシンポジウムを開催することができました。まさに、皆さんとの出会いがきっかけだったのではないかと思っています。

今、吉永さん、それから輪島さんから、障害者雇用促進法の話が出ました。この機会ですので、連合としての基本的考え方をご披露させていただきたいと思います。連合は、今回の障害者雇用促進法の改正に当たって、障害者雇用に関する基本的な考え方を、もともと持っていたのですが、もう一度再確認いたしました。

障害者雇用については、ノーマライゼーションの理念に従って、障害者がその障害の種類や重さにかかわらず、働く意欲と能力に応じて、地域社会で働きながら暮らしていくようにしていくのが重要である。そのためには、雇用、福祉、教育の各行政機関、国および地域レベルで、密接に連携を図るとともに、企業、障害者団体、障害者就労支援団体、教育機関、医療関係機関、労働組合等との関係者がそれぞれの立場で協力をし、福祉から雇用への取り組みを進めていくことが重要であり、必要であるというものでありました。

障害者雇用については、労働組合がいつも理念は高く掲げるわけですが、その具体的実践が求められているのではないかと思います。わが国の最近の状況を見ますと、政府は、福祉政策についても、福祉から就労へと舵を切ったわけです。

しかし、自分たちの働いている職場を見たときに、本当に障害者が生き生きと働ける職場環境になっているかというと、障害者団体の方々が指摘するように、環境、職場の施設、能力開発、それから支援体制も、私はまだまだ不十分だと思います。

そのような意味では、労働組合が企業、あるいは事業所の中で果たす役割はこれから重要なのではないかと思います。そのときの視点が労働組合が基本的な考え方をきっちりともって、労使協議に当たりながら、障害者雇用を進めるためには、どのような環境改善が必要なのかを企業に言っていくことが重要なのではないかと思います。

したがって、労働組合が今やらなければならないことは、障害者である皆さんの声を真摯に聞くことだと思っています。どういうことが必要なのか、何を組合がすればいいのかを聞きながら、その一つひとつの声にきっちりと対応していくことではないかと考えています。

さて、中途視覚障害者について、若干述べたいと思います。中途障害者の問題は、私たち連合の障害者の政策の射程距離に正直言って、これまで入っていませんでした。人生の途中で障害者になって、本当にタートルの会の皆さんと会ってわかったのは、多くの方々がこのままの職場で働き続けたいということだったわけです。

そうしますと、このままの職場で働き続けたいということの場合は、就業規則の見直しだとか、様々な働き方の労働時間だとか、勤務体制の扱い方について着手しなければならないわけです。労働組合は、このままの職場で働き続けたいという気持ちを大切にして、職場の改善に対する要求を提起しながら、労使交渉をしていき、それを就業規則の中できっちりと明記することで、皆さん方が安心して働き続けられるのではないかと思っています。

私は、皆さんとの意見交換の中で、「長谷川さん、僕たちが一番最初にがっくりするのは、お医者さんも含めて、職場の人、上司も仲間もそうだし、もう働けないのではないかと言われた時なんです。」という話を伺いました。私は、自分のテーブルに眼科の先生方がいらっしゃって、大きな応援団がいるんだなと強く感じたところであります。

視覚障害になった場合に、「もうこの職場で働き続けられない」ではなくて、職場の環境を変えて、能力開発をして、仕事を作り出して、切り出していくことによって働き続けられるのではないかと思います。

そういう意味では、医療関係者、身体障害者団体、私たち働く職場の者、労働組合、支援団体の皆さんが、障害者当事者の皆さんと、支援し合い、連帯し合い、協力し合いながら、努力してまいりたいと思います。労働組合がこれまでなかなか気が付かなかった世界について、私たちは皆さんから教えていただきました。このことを参考にしてこれからも努力していきたいと思います。

なお、おそらく「障害者の権利条約」の批准に向けて、これから国内法の整備が始まると思います。どんな内容にしていったらいいのか、どういう国内法の整備をしたらいいのかとか、合理的配慮とは、どういうことなのかという議論が、これからいろいろな場所で行われていくと思います。組合は、そのために皆さんの意見を聞きながら、きっちりと対応してまいりたいと思います。

連合は、今、連合総研に研究を委託しております。その21世紀の新しい法律として、差別の禁止を考えております。年齢差別、障害者差別、雇用差別、この3つの差別の禁止をどういう形で、法体系、つまり労働法の中に組み込んでいけばいいのか、という議論をしているところであります。近いうちに、皆さんからも、それらに対する意見も聞いてまいりたいと思います。

本日は、NPO法人の設立おめでとうございます。益々のご活躍を祈念したいと思います。ありがとうございました。


湯沢美都子氏(日本眼科学会理事・日本大学駿河台病院眼科教授)

NPOタートルの設立、本当におめでとうございます。会の設立を知り理事長の新家が来たがっていましたが、先約がありまして、代理として参りました。

私は加齢黄斑変性という病気を主に診断・治療しています。わが国では視覚障害で身体障害者手帳を取得する原因として1位は緑内障、2位は糖尿病網膜症、3位が網膜色素変性症、4位が加齢黄斑変性、5位が強度近視となっています。失明と一般的には言いますが、これには視力が下がるものと、視野が欠けてくるものの2通りあります。加齢黄斑変性と強度近視、糖尿病網膜症などは見たいところが見えなくなり視力低下が生じます。つまり、読んだり書いたりができなくなるという性質のものです。

網膜色素変性症とか緑内障は、視野の周辺から見えなくなってくるので、進行すると生活するのに視野の真中しか使えないという状況になってくるわけです。

私は昔患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を眼科的疾患を調べる調査費を頂いて調べたことがあります。その結果、加齢黄斑変性では、全体的な見え方が悪いため、あるいは遠くが見えないために、あるいは近くが見えないためにQOLが下がるということに加えて、自立、社会生活機能、役割制限、心の健康の項目でもかなりスコアが低くなっておりました。

それは読んだり書いたりができない、あるいは生活がうまくできないために人に助けてもらわなくてはいけない。それで自立が制限されて心の健康が悪くなるということでした。視覚が悪いと、いろいろな面でQOLが悪くなることがわかりました。

では眼科医として何ができるのだろうかということです。今再生医療を目指してさかんに研究がされています。しかし、それが実際に私たちの臨床の場で患者さんに治療として行えるようになるには、まだ5年から10年かかるのではないかと思われます。しかし、研究が進んでいる間にも、中途失明の人は減ることはないと思います。

今、私たちができることはロービジョンケアです。ロービジョンケアのうち、私の分野ですと視野の真中が見えない場合に対しては見えないところの傍の見える部分のどこに新しくよく見えるところができるかを調べます。それを残存視機能の評価という言い方をします。次にその残存視機能を使ってより速く楽に読んだり、書いたりできるのだろうかを調べ、エイドを処方します。そしてエイドを使う訓練をします。実際にはそれを使って社会に復帰する、あるいは今の仕事を続けるための生活をするということになるわけです。しかし、すべてのロービジョンの人でエイドの使用はまだうまくいくわけではありません。

その原因の第一は、医者の数と検査や訓練をする視能訓練士とよばれる人の数が全然足りないためです。もしそれがきちんと整備されたら、私たちがロービジョンの患者さんにしてあげられることは、ずいぶん増えると思います。

日大の若い医師がロービジョンケアの研究にアメリカに行き、帰ってきて言いました。「先生、日本と全然違うんですよ。米国ではロービジョンケアの専門医がいて、患者さんの困難に対して実際に相談、訓練する人たちがたくさんいて、それを助ける行政がしっかりしていて、雇用施設もしっかりしていて、本当にチームで仕事をしています。あれこそロービジョンケアというんですよ。」と。

今、日本でやられているのは眼科レベルの、ロービジョンエイドの処方ぐらいです。では、もちろんそれ以上のところもありますが、大部分がそうです。というわけでぜひこれから、タートルの会と一緒にいろいろなことを相談してロービジョンケアを確立していきたいと思っています。

ちょっと明るさを変えたり、色のコントラストを変えると、仕事を楽にすることができます。また書くための工夫、それから読むための工夫をすれば能力があがります。
また、コンピュータを駆使することで字を大きくしたり、コントラストを変えて読みやすくすることができます。あるいは音声を使うことによって、ずいぶん仕事の質も量も変えることができます。

「私は遠くからの通勤なので、仕事はできるのですが、危なくて通えません。」という記述を見たことがありました。仕事の環境を変えてあげる、自宅で仕事をする、あるいは会社まで連れてきてくれる人がいる、時間帯を替えて仕事をするなどの工夫によって雇用にあるいは現状も改善することができるると思っています。

そのように考えますと、今後は眼科医・リハビリテーション施設・行政が一体になって、ロービジョンの人たちのための対策を立て、実行していくことが必要だと思っています。

日本学術会議は、感覚器障害に罹った人たちと共存を目指して提言書を作っています。また眼科学会もその重要さをよく認識しており、提言書の作成に参加しています。先ほど、潮目が変わったというお話がありました。眼科学会としては何を皆さんが望んでいらっしゃるのかを知り、できるだけの対応をしたいと思っています。その橋渡しという意味で、この会の設立は本当に喜ばしいことだと思います。どうぞ頑張ってください。宜しくお願いいたします。


高橋 広氏(日本ロービジョン学会理事)

ご紹介いただきました、日本ロービジョン学会の理事で、柳川リハビリテーション病院眼科の高橋でございます。田淵理事長が所用のため、祝辞を預かってまいりました。(祝辞については、別掲)

さて、私からのメッセージを述べさせていただきます。私とタートルの会との出会いは、実は1996年12月15日です。産業医科大学におきまして、第二回の北九州視覚障害研究会シンポジウムを開き、そのときにおいでいただいたのが、工藤ご夫妻です。以来、事ある毎に、タートルの会に連絡をし、数多くの就労問題について話し合ってきました。そのなかでも、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の『平成16年度障害者雇用職場改善好事例 視覚障害者入賞事例集』や、NHK教育テレビ福祉ネットワークで、「中途障害者 職場復帰への道のり」というテーマで紹介された熊本の甲斐幸二様など、多くの視覚障害をもつ九州の方々について経験をし、支援をしていただきました。改めて、厚く御礼申し上げます。また、昨年11月の「九州ロービジョンフォーラム」で取り上げさせていただき、本日参加されている熊谷組の藤田様の事例では、本当にお世話になりました。

私は、労働災害にて両眼を失われた藤田様に、視覚に障害があっても、生きていくことはできる、働くことができるというメッセージを医療から出しました。しかし、それだけでは不十分です。工藤ご夫妻に柳川まで来ていただいて、お話しをしていただきました。そのときのご夫妻の感激の涙は忘れることができません。もちろん藤田様ご夫妻は当然のことでございます。こうしてタートルの会の皆様の温かい支援が藤田様に対して始まりました。

我々のロービジョンケアによって、できなくなった日常生活動作ができるようになるにつれ、彼は、障害を受容して行きました。そうして、彼から仕事をしたい、会社に戻りたいという強い意思が表明されました。また、私たちは、福岡障害者職業センター、あるいは、ハローワークなどの労働関係機関などとも連携を取って、職場の今後に対する不安を取り除いていきました。藤田様の上司の方が実際に視覚障害者が働いている東京の事業所を障害者職業センターの紹介で見学されたことが実に大きかったように思います。視覚障害者でもパソコンで仕事ができることに驚かれ、視覚に障害があっても働けると実感されました。

働く視覚障害者はPC-Talkerなどのスクリーンリーダーを用い、WordやExcelができることは当たり前のことで、JAWSなどのより高度なパソコン技術を駆使し、会社のイントラネットが使えなければなりません。しかし、それを教えることができるものは全国的にも数名に限られ、九州では皆無です。このため、藤田様も福岡視力障害センターでの訓練終了後、大阪の日本ライトハウスで職業リハビリテーションを受けられました。

その際、熊谷組本社から社長様が彼の訓練を見学され、励まされ、関西支社での実務研修が可能となったことも特筆されます。このように全社あげての支援体制がとられ、昨年4月復職されました。この藤田様の事例から我々も多くを学び、11月のフォーラムで検証いたしました。今、このフォーラムの報告書を作っております。

視覚障害者が復職するには、ご本人の復職への強い意思と努力は絶対的なものですが、医療、労働関係機関や福祉の連携が欠かせません。そのなかで、今後は、新生NPO法人タートルが実質的な接着剤となり、より質の高い連携への鍵となります。

またもう一つ言わせていただければ、視覚障害者のジョブコーチの養成が急務です。これなくして、職場への復帰、職場を維持することはできません。ぜひ皆様のお力で、その点を考え、努力し、解決していきましょう。以上をもちまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。本日は、本当におめでとうございました。


中途視覚障害者と働く、我が社の場合

沖ワークウエル(社長・木村良二氏、西田朋己氏)

木村氏 沖ワークウェルの木村でございます。本日は、NPO法人タートル設立おめでとうございます。私と西田との出会いは4年前です。

当社は在宅勤務、重度肢体障害者が家で仕事をして、Web関係の仕事をメインにしている会社なのですが、当時、その在宅勤務者が10数名いて、沖電気が運営していたのです。しかし、私はそれでは面白くないと、会社にしてベンチャービジネスをやろうではないかと、4年前に設立を準備したのです。

当社は、障害者の人が、アクセシビリティに特色を持ったホームページ作りをやって、それで仕事をもらおうと思っていました。その当時、西田は沖電気の中で視覚障害で、どんどん目が見えなくなって、ほとんど全盲というかたちで、仕事も、昔設計したもののメンテナンス的なものしか与えられない、という状況になっていました。

技術者ですからWebなども当然自分で利用していろいろやっていると聞いていました。あるとき喫茶店に呼び出して、あなたはWebアクセシビリティのチェックだとかアドバイスだとか、そういう仕事を新しい会社を作ったときにやってもらえませんかと話をしたのです。

そのときに、「自分はもうこういう状況なので、長崎の田舎に帰ろうと思っていた。でもタートルの会の皆さんに励まされて、障害を受容して自分は、目が見えないということを力として仕事をしていきたい。ぜひその会社に参加させて欲しい。」という話になりました。それで沖電気からスカウトをして、出向してもらって、今、沖ワークウェルで働いてもらっています。

沖ワークウェルで27名の在宅勤務者が、Webを作ったもののアクセシビリティをチェックしたり、沖電気のユニバーサルデザインやアクセシビリティのアドバイザーみたいなことをして、活躍をしております。タートルのNPO設立、おめでとうございます。

NTTクラルティ(社長・丸山直樹氏、伊藤一真氏)

丸山氏 NTTクラルティの丸山でございます。本日は、NPO法人タートルの発足おめでとうございます。

伊藤氏 NTTクラルティからまいりました伊藤です。本日は、NPO法人タートルの設立おめでとうございます。

丸山氏 NTTクラルティは、まだ発足して3年目の会社です。現在、従業員が100名強で、障害者が70名いて、そのうち、視覚障害者が9名います。

全く見えない社員から、若干見えて拡大ソフトでも仕事ができる社員もいます。仕事の中身は、障害を持っている方、とくに視覚に障害のある方が、ホームページを安心して閲覧できて、欲しい情報にたどり着けることができるようにといった仕事を中心にやっています。

一方では、ユニバーサルデザインにも、取り組んでいまして、伊藤社員は、携帯電話を視覚障害者が便利に利用できるように、NTTドコモと組んで、関東・信越エリアを、電話教室の講師として歩き回っています。

いっぽう、私どもはホームページ「ゆうゆうゆう」というユニバーサルなサイトを持っていますので、ぜひ一度ご覧になっていただければと思います。会社も広々とした環境のいい場所にありますので、よろしければご見学いただければと思います。本日は、どうもおめでとうございます。

C社(人事本部バイスプレジデント・S氏、I氏)

S氏 皆さん、こんにちは。Sでございます。本日は、NPO設立誠におめでとうございます。

C社と言いますと、昨今世間を騒がしている、サブ何とかということで、いろいろな話題性がある会社でございます。とは言っても、私ども、私の着任する4年前まで、0.75%という品川区の中でも非常に低い障害者雇用ということで、3ヵ年計画をいただきまして、本年度ようやく全国平均1.55%までになりました。

その中で視覚障害の方は、現在3名おり、Iさんが初めて私どもの事務職、法人金融の部署にいます。法人金融というのは、非常に巨額な金を扱う、そして私どものお客様は、大きなお客様が多いものですから、その中で事務職という、私どもも初めての試みをさせていただきました。

私ども障害者雇用も非常に難しい局面を迎え、会社の中でも人事本部をはじめ、各現場の方の理解を進めてまいりました。とは言っても、まだまだ1.8%までいっておりませんので、あと6ポイントというところで1.8%なのですが、その中でも視覚障害の方というのも、これからもっと増やしていきたいと思っておりますので、NPO法人タートルの皆様方のご協力をいただきながら、我々の活動もぜひ助けていただきたいと思っています。

I氏 この度は、おめでとうございます。私が、C社に入って最初に思ったのは、すべてのものがもう準備されていて、とてもスムーズに仕事ができるということでした。

JAWSもすでに入っていて、皆さんは私が段差が苦手ということや、網膜色素変性症で目が見えないことを知っておられましたので、ここ危ないよとか、もう4時だから帰っていいよとか、本当に理解の深い会社に恵まれまして、今まで何も支障なくスムーズに、楽しく仕事をさせていただいています。これからも、益々のご発展をお祈りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

国際紙パルプ商事(総務本部副本部長・辻田益久氏、人事グループ長・吉松仁平氏、安達文洋氏)

安達氏 こんにちは。ただいま紹介がありました、タートルの理事をしております、安達文洋と申します。先ほどからいろいろと啓発事業のお話をいただいたのですが、非常に意を固くして聞いていました。今後は、社会啓発担当として、またタートルの一員として頑張りますので、よろしくお願いします。

今日は私どもは、辻田副本部長と人事グループ長の吉松と一緒に参りました。辻田からお話をさせていただきます。よろしくお願いします。

辻田氏 本日は、タートルの会、NPO法人設立の儀、誠におめでとうございます。

今、自ら紹介がありました安達は、私どもの会社では、現在人事部に所属して、海外事業を営む本部と海外の現地子会社の情報橋渡し役をやっています。

安達は、入社以来30年間輸出営業の仕事をし、当社にとっては、なくてはならない存在で、重鎮として大活躍をしていました。しかし8年前、思いもかけない網膜色素変性症という難病で失明致しました。

仕事での活躍は言わずもがなですが、日頃オフには、3年半前に始めたブラインドセーリングで、土曜・日曜には、東京湾や相模湾に繰り出し、ヨットを楽しんでいます。さらには、新たにスキーを始めるなど、今までの環境を打破し、非常に積極的に社会参加して、果敢に生きようとしています。

その生き方は、見習うところが非常に多く、本日も喜んで参加させていただきました。新生になったタートルには、安達の経験、知識、積極性が大きく貢献するものと確信しています。引き続きご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

日本電産サンキョー(人事部長・清水岳彦氏、五味清和氏)

五味氏 こんにちは。日本電産サンキョーの五味と申します。私も視力障害者3歳弱なのですが、いろいろ世間を騒がせています。今年の目標は、昨年関東水泳大会で平泳ぎ25メートルで金メダルを取りまして、今年は国体を目指したいという大きな抱負をもっています。またよろしくお願いします。

清水氏 NPO法人設立おめでとうございます。昨日の新聞にもありましたように、うちの五味が復職を目指して頑張っております。まだここに来られる立場ではないのですが、今日はお礼を言いに来ました。五味が心から苦しんでいるときに助けてくれたのは、タートルの会の人たちです。

本来は働く仲間として、我々が支えなくてはいけないのにできませんでした。本来なら悩んでしまって家にひきこもって、何もできなくてもしょうがない時なのに、それをタートルの会の皆さんが家から出して、職場に連れて来ていただいて、我々のところに戻してくれました。こういう素晴らしい会があることが、どのぐらい中途視覚障害者の方々の励みになるかと、心から感じました。

本来ならうちの社長を連れてきて、先頭に立ってやるような会社にしなければいけないのですが、まだまだそのような会社ではありません。五味は我々と20年近く一緒に働いてきた仲間です。仲間と一緒に働きたいという気持ちは、全従業員が持っておりますので、そのつもりで身障者だとか障害者だからではなくて、仲間を迎え入れるということです。

私は人事部長という立場で五味の隣にいますけれども、目が悪くなる前は、五味は営業のトッププロとして活躍していました。一緒に働いておりました。立場は変わりましたが、また一緒に働いていきます。我々は何をすればよいのかわかりません。皆様のお助けを借りないと何もできませんので、ぜひお力を貸して下さい。何もできないかもしれませんけれども、お力を借りて五味と一緒に歩んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

熊谷組(本社管理本部副本部長・石澤正通氏、九州支店建築部・藤田善久氏)

藤田氏 皆さん、こんにちは。先ほどご紹介にあずかりました、株式会社熊谷組の藤田善久と申します。今回は、NPO法人タートルの設立、誠におめでとうございます。

僕は、視覚障害者になり、4年足らずなのですが、この間、柳川リハビリテーション病院の高橋先生をはじめ、タートルの工藤様、国立福岡視力障害センターの嘉村様、日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンターの生活訓練部の堺様、同職業訓練部の津田様等々の皆様方から、ご協力、ご支援をいただきまして、無事に昨年4月に会社に復帰することができました。

それにプラスして、今隣にいます石澤管理本部管理副本部長、それから株式会社熊谷組トップの大田社長が、訓練施設に来ていただき、「藤田、頑張れ、あせるな。皆が待っているんだから、頑張っている姿を全社員に見せてやれ。」ということで、僕は、会社の社内ホームページのトップに掲載されました。

支店に戻っても、皆さんの協力もあり、支店内での通路、トイレ等もいろいろ説明していただきました。皆のサポートがあって業務に就けていると思っております。今後も、自分ができると思わず、まずは、皆からサポートしていただいているという気持ちを忘れずに、会社に貢献していこうと思っています。

また、タートルの会についても、九州にはそのような会がありませんので、どんどんそのような情報を僕の方からでも、視覚障害者の方々に発信していくようにしたいと思います。今回は、NPO法人タートルの設立、誠におめでとうございます。

石澤氏 それでは、私から一言申し上げます。今日この席に参加させていただきまして、今日にいたるまで、藤田が本当に大勢の皆さんの世話になっているんだということを、改めて感じ入りました。特に、柳川リハビリテーション病院の高橋先生には、まだ心の中で大きな負担を感じている時期に、しっかりと道をつけていただきました。

また、日本ライトハウスの木塚理事長はじめ、皆さんには、復職に向けてさらに厳しいトレーニングを続ける過程で、多くのことを教えていただきました。そして、タートルの会の皆さんに、ずっと長く心の支えになっていただいたのだろうと思います。改めて御礼を申し上げたいと思います。

彼は昨年の4月から熊谷組に復職をしました。もともと建築を志し、私どもの会社に入ってきたわけです。その建築の世界で、今、購買部門の様々なデータの集積や分析といった仕事をしております。いずれまた元の職務である現場の施工管理に戻ってくれればと思っておりますが、彼ならば必ずやり遂げてくれるだろうと思います。これからも長くご指導の程よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


主な方からの祝辞

本間昭雄様(日本盲人社会福祉施設協議会理事長)

日盲社協は、全国に215 の会員数を有している盲人の社会福祉施設団体です。私の前の理事長が板山賢治、厚生省のドンとして今も健在です。板山さんが更生課長をしておられたときに、1981年の国際障害者年を迎え、立派にやりとげられました。差別用語などの撤廃その他いろいろなことを業績として、やられたことは多くの人が知るところです。

その前の8代目の理事長が松井新二郎先生です。先ほどから幾度かお名前が出たと思いますが、松井先生は、就労問題その他、本当に視覚障害者の社会復帰について活躍をされた私どもの先輩です。松井先生たちがいらした結果、このようなタートルの会が誕生したとこのように思っています。

現在、日盲社協もわずかながらも、タートルの会に出版物などでお手伝いができたということを、大変うれしく思っています。今後のご活躍をご期待申し上げお祝いの言葉といたします。おめでとうございました。

田中徹二様(日本点字図書館理事長)

田中でございます。NPO法人取得おめでとうございます。

東京都の心身障害者福祉センターができたのが、ちょうど今から40年前です。その当時センターは日本で初めての相談、判定、訓練、研究という部門を全部こなすリハビリテーションセンターでした。私がいました視覚障害科で最大のテーマは、職場復帰だったのです。

40年前ですから、皆さんもご存知のように、環境としては最低だったわけですが、40年経って今日、来賓の先生方の話を伺っていて、ずいぶん時代が変わったなと思いました。私たちが、一生懸命になって企業に働きかけたり、公務員などの復職でさんざん苦労して動き回っていたのが、夢のようです。

ただ、基本的な点はやはり変わっておりません。視覚障害者本人が、どうやって自覚するかということ、またそれぞれの環境、職場、一人ひとりの人たちの対応が、非常に大きな影響を与えることは変わっておりません。特に、東京都職員、国家公務員のような人たちは、もう絶対に復職させなければいけないというので、随分動きました。

組合に働きかけて、かなりの応援を得ました。組合は総論賛成でしたが、視覚障害者が自分の課に来ると、皆反対するわけです。うちの課に来てもらっては困るという反対を堂々と、組合員がやりまして、なんと矛盾した話かなあとかなり悩んだことがありました。

そういうことも、もう40年も経ちますとずいぶん変わったなあという印象です。これからの中途視覚障害の方たちは、本当に幸せだと思います。タートルの会もそういう応援を、ぜひ盛大にやっていただきたいと思います。

木塚泰弘様(日本ライトハウス理事長)

タートルの会がNPO法人になったこと、おめでとうございます。日本ライトハウスでは昭和40年(1965年)に、2代目の岩橋英行理事長が、職業・生活訓練センターを立ち上げました。その際、世盲協の副会長もしていた関係から、ブラジルの方からの話があって、まず職業訓練よりも先に通勤ができること、それから職場の仲間とコミュニケーションがとれること、自分の日常生活がきちっとできること、そういう力をつけてから職業訓練をするといいと言われました。そこでそれをセットにして、職種としては機械工、電話の交換、情報処理というふうに作っていったわけです。

その後、能力開発事業として、大阪の障害者職業訓練校の分校の職業訓練部として一応独立しました。一番基礎的なリハビリテーションをやることとセットにして、指導を続けてきております。最近は特に休職者、あるいは在職の方、退職をされた方に、今までのキャリアを生かしながら、今申しあげたことを中心に訓練して、元の職場に復帰してもらうということに力を入れています。

昨年の1月に人事院から、そして4月に厚労省の障害者雇用対策課長から全国の労働局職業安定部長あてに,特に視覚障害者に特化した通知が来ました。そして12月にはタートルの会がNPO法人タートルとして認められました。そういう非常に強い風が東から吹いてきています。

我々も仕事を続けてきて、最近はかなり重点をおいているのですが、障害者自立支援法のなかの就労移行支援と職業訓練部をタイアップしながら、「東風吹かば 匂いおこせよ」と梅の花を咲かせたいと思っています。

今日は担当の津田が来る予定でしたが所用がありまして来れませんので、私が代わりにまいりました 。今後とも東から追い風を送っていただければと思います。私どもも頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。今日はおめでとうございました。

杉江勝憲様(日本盲人職能開発センター施設長)

タートルの皆さんおめでとうございます。今ご紹介にあずかりました私は、日本盲人職能開発センターの施設長をしております杉江でございます。本間先生からもお話がございました、故松井新二郎先生が創りました施設が私どもの施設です。タートルの皆様方に、2つご支援をしたいと思っています。

1つは、拠点として、私どものセンターが事務局の所在地になっています。タートルの皆様方は今回の設立準備も含めて、私どものセンターで活動しておられます。今後も拠点としてご支援していこうと思っています。

2つ目は、一般就労への支援、協力です。松井新二郎先生が、掲げた理念でもありますが、視覚障害者の一般就労ということが私どものセンターの大きな目的でございます。タートルの皆様のご厚意で今度創刊いたしました『センターだより』を同封してございます。どういう業務内容かは、それをご覧になられますとお分かりいただけると思います。

視覚障害者の方、特に原職復帰ということは、私も30数年視覚障害者の方とお付き合いさせていただいておりますが、当初からの目標でした。そういう面で、タートルの皆様の発展が、視覚障害者の方の就労に結びつく大きな力を発揮されることと思います。どうか今後のご活躍を祈念しております。頑張っていただきたいと思います。本日は、本当におめでとうございます。

近藤豊彦様(名古屋ライトハウス港ワークキャンパス所長)

皆様、こんにちは。ご紹介いただきました名古屋ライトハウスの近藤豊彦です。

私は今、ホール缶やブリキの缶を作る施設を運営しています。障害者が仕事に就くときに、いわゆる社会的就労と福祉的就労があります。何となく福祉的就労というと、評判の悪い「30年経っても工賃1万円しか払えないのか、そこの施設長、何やってるんだ。」と非難を受けています。私は現場におりますので、現場の状況とか、現場も頑張っているよということだけ話させていただきたいと思います。

2年前にこの仕事を引き受けました。当時270名の障害者がいて、平均の工賃が4万4千円でした。約2年間、いろいろやってきて今年度7万5千円ぐらいになります。この期間中に約8千万利益を稼ぎ、障害者の方に工賃として払いました。やれば十分できるものです。来年は、畑をやろうと思っています。施設の横に千坪ぐらいの名古屋市の遊休地があるのですが、そこにただで貰ってきたハウスを置き、ビニールをかけ、暖房の代わりに土のなかに電気を通したニクロム線を埋め、土の温度を上げ、実験的に苺を作りました。カーボンは高いので墨汁を薄めて上からまいたり、毎日「大きくなれよ」とか「おいしくなれよ」と言いながら作りました。そんなふうに、一生懸命やっているうちに、なんとみかんより大きなイチゴができましたので、写真を撮って持ってきました。食料試験場に持っていきましたら、糖度が17度でこれなら2千円で売れるよと言われました。1個しかできなかったので、我が家で食べてしまいました。そういうことを、今年はやってきました。

生ゴミ処理から堆肥をづくり、野菜を作って住民に買っていただこうと、壮大な計画を進めています。無農薬栽培をやっている方はあちこちにおられ、15町歩のところがあります。我々障害者のグループはそんなに働けないので、私は大学生をボランティアとして集め、課外活動として、みかん狩りを3日間やったことがあります。今度も畑仕事は全部ボランティアやNPOの方を動員して、できることはやろうと思っています。

タートルは理論好きな方が多いのですが、たまにはそういう議論をすることも大事で、5年程前からお付き合いさせてもらっています。今は、私は単なるサポーターのひとりですが、もうちょっと金を稼いだら、スポンサーになりますので待っていてください。
これからも頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

鈴木孝幸様(日本盲人会連合理事)

この度、NPO法人タートルの設立誠におめでとうございます。本来ならば、私どもの会長の笹川がこちらに来させていただいてご挨拶するところですが、「他に用事があるので、鈴木、代わりに行ってくれないか。」ということで、鈴木がご挨拶させていただきます。

私どもの日本盲人会連合としましては、当事者の団体として全国に組織があるわけですが、こういった視覚障害者の復職に向けての部分の力が弱いわけです。笹川からも「頑張ってください、と伝えてください。」と与って参りました。これからは支援ということで、一緒にやっていくことで考えていこうと思っています。私たちは、当事者団体として、どう関われるか、というところであります。

まずひとつは、厚労省の委員会に出ることが多いので、制度面からのバックアップをしていくことが、我々の課せられた責務かなと思っています。ひとつの例ですが、今回、雇用に関する委員会の意見書の後半のなかにロービジョンケアの部分を盛り込ませていただくことができました。これは本来いろんなところで、出てくるべきなんでしょうが、そういう意見書のなかに、初めて盛り込まれたことは成果だと思っています。

これからの動きになりますが、今週もしくは来週にかけて、日本盲人会連合の名前で厚生労働大臣宛に、ロービジョンケアをやったときに医療費を報酬として取れるようにという形の要望書を出す予定です。そういった関係で、これからもいろんな意味で一緒に手を携えてやっていきたいと思っております。

迫田朋子様(NHK制作局 文化・福祉番組担当)

NHKで福祉の番組を担当しております迫田です。この度は本当におめでとうございます。会場にはあちこちに取材をさせていただいた方々がいらっしゃるものですから、今日私は取材者として来たつもりでしたが、こういうところでお話させていただくということで、大変恐縮しています。

テレビでもラジオでもそうなのですが、福祉の番組で様々な雇用の問題を取材させていただくと、企業や組織の壁が結構厚くて、ためらわれたり取材に応じていただくことが難しかったりすることがあります。

今日ここにご参加になっている企業の方々が、当事者の復職のプロセスでまさにお感じになったように、実際私たち働く者は、働く企業・組織の立場を離れますと、同じ働く者として自分に何かあったときに、こうやって支えてくれる仲間がこんなにいるんだということが、どれだけ力になるかということを一個人になって感じるのだと思います。

そういう活動をされて来られたのがタートルの会でありまして、それがNPO法人になられたのだと思います。私も大変うれしく、今後もよろしくお願いしたいと思います。

ひとつだけ宣伝をさせていただきますと、私どもがやっております「視覚障害者のみなさんへ」というラジオの番組は、ホームページでそのまま聞くことができます。点字に不慣れだという中途視覚障害者の方が、番組をそのまま聞いていただければ、例えばこちらの理事の安達さんの在宅勤務の様子や、工藤さんのお話や、ロービジョンケアの高橋広先生のお話などがいつでも聞くことができます。人事院の通知や厚生労働省から出た通知などもいつでも聞けますので、情報を得る手段としてお使いいただければと思います。今後も新しい情報を次々お伝えしてまいりますので、ぜひ皆様のご協力をお願いしたいと思います。

この度は、本当におめでとうございました。


【祝辞】
特定非営利活動法人タートル設立祝賀会に向けて

この度の法人設立、誠におめでとうございます。

我々眼科臨床医としましては、現在医学が急速な発展を遂げているさなかにおいても、努力の甲斐もなくお助けできずに視覚を失われる方があとを絶たない現実があり、自責の念をも感ずるところがございます。

この度、下堂薗保会長をはじめタートルの会の皆様の長年のご努力が実り、NPO法人タートルとしての設立にこぎつかれたことに対し、心よりお喜びを申し上げます。

日本眼科医会と致しましても、貴会の前身であったタートルの会の存在と活動を医会会員に周知を図り、貴法人が発展されることを願っておりました。

現在は情報技術の発展によって、視覚障害をお持ちの方も事務職をこなすことが可能な時代となってきてはおりますが、それには、雇用する側の視覚障害に対する深い理解と、当のご本人が視覚消失を受け入れ、新たな人生を切り開こうとするご努力がなくてはその恩恵にも授かることはできません。その時にNPO法人タートルの存在が大きな役割を果たしていただけるものと期待しております。

健常人では難しい心のケアや励まし、そして広い情報の提供が、視覚を失われて途方にくれている方には、大変助けになることと思います。

我々日本眼科医会も貴法人の活動に賛同し、少しでも協力させていただければ幸いと考えております。貴法人のますますのご発展を祈念いたします。

平成20年2月7日
社団法人日本眼科医会
公衆衛生担当 常任理事 古野史郎

祝辞

新春を迎え、特定非営利活動法人タートル理事長・下堂薗保様はじめ会員のすべての皆様方におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

平素より日本ロービジョン学会の活動につきまして格別のご配慮、ご厚情を賜り、深く感謝申し上げます。

さて、この度、中途視覚障害者の復職を考える会(タートルの会)が、昨年12月3日付で「特定非営利活動法人タートル」として登記され、任意団体からNPO法人へ発展されましたことを衷心よりお慶び申し上げます。
視覚障害者の就労はきわめて多くのハードルを乗り越えて、それは社会的理解も含みますが、可能となります。かつては視覚障害者の聖域であった、いわゆる三療への就職も次第に困難となっている現状の中で、貴法人を中心とした再雇用、職域拡大へのたゆまぬ活動で社会を動かし国を動かして、中途視覚障害者の就労の状況が好転しつつあります。しかし社会の大きな変動と共に視覚障害の質も変化しており、ますます現状に即した雇用の安定と職域拡大が要請されるところであります。

日本ロービジョン学会は創設されて9年目を迎えたかけ出しの会員約680名の組織ですが、多岐にわたる問題を科学的に解決すべく努力を行っております。就労の問題も大きな課題であります。現実に貴法人の方々には当学会の役員あるいは評議員や会員としても活躍していただいておりますが、皆様と共に視覚障害者に最も望まれる事柄に対応できるよう努力する所存です。

貴法人がこれまで培われました多くの経験を生かされ、ますます発展されますことを祈念して簡単ですが祝辞とさせていただきます。

平成20年2月11日
日本ロービジョン学会
理事長 田淵 昭雄

【祝電】

特定非営利活動法人タートル設立祝賀会のご盛会おめでとうございます。このたびのご設立を心からお祝い申し上げますとともに、社会を支える存在へと大きく発展されることを期待しております。

参議院議員 坂本由紀子
……………………………………………………

この度は、特定非営利活動法人タートル設立、心よりお慶び申し上げます。視覚障害者の方々のために、貴法人の益々のご発展を祈念いたし、お祝いの言葉とさせていただきます。

尚、本日は公務のため、残念ながら欠席させていただきますが、ご盛会をお祈り申し上げます。

社団法人日本眼科医会  会長 三宅謙作
……………………………………………………

特定非営利活動法人設立を心よりお祝い申しあげます。
祝賀会にお招きいただきましたが、残念ながら公務のため出席できません。貴会のご発展とご盛会をお祈り申しあげます。

社団法人東京都眼科医会 会長 朝広 信彦
……………………………………………………

特定非営利活動法人タートルの設立に当たり心からお祝い申しあげます。
今後の貴会のますますのご発展とご活躍をご祈念申し上げます。

社団法人日本視能訓練士協会 会長 臼井 千恵
……………………………………………………

ご設立おめでとうございます。
みなさんのお陰で私たちのグループの会員もたくさん自立することができました。今後さらに社会を支えるNPOへと大きく発展されることを期待しております。

信楽園病院 視覚障害リハビリ外来  山田幸男
……………………………………………………
 タートルの会がNPO法人格を取得されたことを心からお祝い申し上げます。
貴会が特に中途視覚障害者の現職復帰についてのご功績に感謝すると共に、今後とも視覚障害者の職業的自立のために活躍されることに大きく期待いたします。

社会福祉法人日本盲人会連合 副会長
社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会 会長  時任基清
……………………………………………………

NPO法人設立おめでとうございます。
中途視覚障害者の就労支援につきましては、今後とも連携して活動に努めてまいりたいと存じます。

貴法人のますますのご発展をお祈り申し上げます。

千葉県中途視覚障害者連絡会
……………………………………………………

NPO法人設立おめでとうございます。
障害者の就労支援につきましては、今後とも相互に連携してまいりたいと存じますので、宜しくお願いいたします。

貴法人のますますのご発展をお祈り申し上げます。

社会福祉法人あかね
……………………………………………………

タートルの会のNPO法人化を心よりお喜び申しあげます。
今後のますますのご発展を京都より祈念いたしております。

京都YMCAわいわいネット
……………………………………………………

NPO法人設立祝賀会心よりお祝い申しあげます。今後とも協力と共同の関係をさらに深めていきましょう。本日は誠におめでとうございます。

日本盲人職能開発センター 就労支援部長 北林 裕
……………………………………………………

新しい法人の設立を心からお祝い申しあげます。長年のご努力に改めて敬意を表しますと共に、貴会のますますのご発展をお祈り申しあげます。

社会福祉法人東京コロニー 職能開発室 堀込 真理子 吉田 岳史
……………………………………………………

NPOタートルのご設立おめでとうございます。今後のご発展とご健勝を心から祈念致します。

株式会社高知システム開発 代表取締役 大田博志
……………………………………………………

特定非営利活動法人タートル設立おめでとうございます。
記念すべきこの日をお迎えになられましたのも、ひとえに皆様の日頃のご研鑽ご精励の賜物と敬服いたします。

これを機により一層ご発展されることをお祈り申し上げます。

KGS株式会社 代表取締役 榑松武男
……………………………………………………

タートルの会、NPO法人化おめでとうございます。私はまだ学生ですが、人々にとって働くことは新たな出会いだと思っております。

新たな環境や繋がりの中から、今までとは違った価値観が生まれるのではないかと思います。そういう思いをより多くの人ができる社会に近づければと願っています。タートルの会のさらなるご活躍を祈念しております。本当におめでとうございます。

埼玉県立大学 成澤俊輔(患者塾発起人)
……………………………………………………

特定非営利活動法人タートル設立おめでとうございます。

理事長はじめ、ご尽力いただいた方々に心より感謝申し上げます。

視覚障害者として生き返った一人として、先輩方がこれまで積み上げてこられた歴史を力強い踏み台にして微力ではございますが、私も皆様と共に頑張っていこうと気持ちも新たに決意しております。

遠方からではございますが、どうぞ今後とも宜しくお願いいたします。

愛知県一宮市 大脇多香子(正会員)
……………………………………………………

「NPOタートル」の誕生をご一緒にお祝い申しあげます。
これからもゆっくり、そして賢い亀の歩みを続けていきましょう。

千葉市 岩宮正人(正会員)
……………………………………………………

【メールによるメッセージ】

<医療関係者>

雪まつりの札幌より、お祝いのメッセージをお送りいたします。タートルの会のNPO法人タートルとしてのスタートを心からお慶び申し上げます。眼科医療の現場で接する視覚障害者あるいはロービジョン者の社会生活上のさまざまなニーズのなかで、これら視覚に障害を持つ方々の「就労」はたいへん重い課題であり、医療だけではなく行政関係、福祉関係、そして産業界の人々をも含めた「連携」のもとに取り組まなければなりません。これまでも、医療機関から他の関係機関への橋渡しの糸口として、ひとりひとりの当事者の立場に立った親身のアドバイスや支援をタートルの会からいただいた患者さんが多くいらっしゃいますが、今後も「連携」の要としてのNPO法人タートルの役割がますます重要になるものと思います。

このたびの法人化を機に、全国的な活動の展開・充実を図られるなかで、北海道地域にあって支援を必要とされている方々にとっても、貴法人が従来にも増して力づよい支えとなることを期待しております。

今後のますますのご発展をお祈りいたします。

2008年2月11日
社団法人 北海道勤労者医療協会 勤医協札幌病院眼科
第10回日本ロービジョン学会学術総会 会長  永井春彦
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特定非営利活動法人「タートル」の設立祝賀会にあたりお祝いを申し上げます。

私ども医療に携わる者の力及ばず、視覚障害者となられた方々の就労支援について、これまでご尽力されてこられましたことに対し、尊敬の意を表し、また心から感謝を申し上げます。

私どものようにロービジョンケアを専門とする眼科医にとりましても、日々の診療場面で直面する、視覚障害者の就労継続の問題は最も対処が難しく、毎回、苦慮をしており、貴会の活動に感謝する声をよく聞いて参りました。私ども眼科医は最近になってようやく視覚障害リハビリテーションの重要性に目覚め、ロービジョンケアが少しずつ全国的な拡がりをみせていますが、裾野はまだまだ狭く、しかも経験不足です。我々は一日も早く、貴会と肩を並べて密接な連携が出来る実力をつけるように努力する所存ですので、今後ともご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。

本日を機に、貴会がますますご発展をとげられますよう、心からお祈り申し上げます。

平成20年2月11日
日本ロービジョン学会理事
山縣眼科医院 院長 山縣祥隆
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謹啓春寒の候、貴会の皆様にはますますご清祥のこととお慶び申しあげます。

さて、中途視覚障害者の復職を考える会(タートルの会)が特定非営利活動法人タートルとして新生されましたこと、誠におめでとうございます。ご栄誉を心からお祝い申しあげます。

一般の眼科医のみならず、ロービジョンケアを担当する立場にあっても就労の問題は難しく、貴会が発行された本や資料集を参考にさせていただいたり、個別に相談させていただいたりと、いつも助けられて参りました。これらから得た知識やご助言は、患者の道しるべとなり、心の支えとなっています。貴会の存在、そのメッセージが眼科医を通して患者に伝わることにより、より多くの患者が救われることを願っておりました折、貴会が法人として社会的に認められたことで活動の拡大と認知度の向上が期待され、大変喜ばしく存じております。これからも一層のご指導を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

末筆ながら、貴会の今後ますますのご発展と皆様のご健康をお祈り申しあげます。

敬白
平成20年2月11日
岡山大学眼科 守本典子
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特定非営利活動法人タートルの誕生に心からお祝いを申し上げます。

タートルの会の活動を知ったのは私がロービジョンケアに関わってからのことですが、視覚に障害のある人たちのサポートを、当事者の立場を最大限に尊重しながら行う活動に感銘を覚えておりました。

タートルの会が発行した2冊の本、中途失明「それでも朝はくる」と「陽はまた昇る」や 最近では視覚障害者の雇用継続支援実用マニュアルも手元において参考にさせていただいております。

仙台では月に1回ですが医療、教育、福祉など多職種の集まるロービジョンケアに関する勉強会とその後の懇親会を続けております。

最近では当事者の方の参加も増えてきました。懇親会では雇用継続の相談もあります。視覚障害に十分な理解のある企業は少ないので、仙台にいらっしゃるタートルの金子さんにその都度、進路や就業、雇用継続の件でご助言をいただいております。

本日の特定非営利活動法人タートルの誕生によって、皆様の活動がさらに充実されることと思います。

今後益々のご活躍をお願い申し上げます。
今後ともご協力・ご助言などを賜りますようよろしくお願いいたします。

さど眼科院長、日本ロービジョン学会理事、宮城県眼科医会理事 佐渡一成
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新春を迎え、特定非営利活動法人タートル 理事長 下堂薗保様はじめ会員の皆様方におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

この度は、中途視覚障害者の復職を考える会(タートルの会)が任意団体から特定非営利活動法人タートルとして、さらにご発展されまして誠におめでとうございます。

我々ロービジョンケアに携わる眼科医は、中途視覚障害者の就労問題に重点をおき、視覚障害者の経済問題を重要視しておりました。一方、かねてよりタートルの会では中途視覚障害者の就労継続等の支援活動にて、多数の患者様がお世話になって支えていただきまして、タートルの会には大変感謝をいたしております。

今後とも特定非営利活動法人タートルとして、従前のように駆け込み寺的な役割を担っていただければ有り難く存じますし、さらに貴法人の活動によりまして、多くの中途視覚障害者の方々の就労の継続や新規就労がかない、また新たに事業を興される方がご成功なさいますようお祈り申し上げます。

特定非営利活動法人タートルと会員の皆様方の益々のご発展を祈念して祝辞とさせていただきます。本日は特定非営利活動法人タートル設立祝賀会のご開催、誠におめでとうございます。

平成20年2月11日
和歌山 市眼科田中クリニック 院長 田中 憲児
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<就労支援関係>

特定非営利活動法人タートル設立は、今までの活動をふまえて、中途視覚障害者の就労問題への更なる貢献の道を着実に歩む契機になることと、心からのお喜びを申し上げます。
中途視覚障害者の復職を考える会として活動をはじめられて、およそ13年間、会の運営に携わっていらした皆様のご尽力に改めて敬意を表し、今後の更なる発展を応援しています。

中途視覚障害者の復職を考える会スタートのときの取材にあたったひとりとして、この歳月の間に、目の不自由さのために仕事をやめざるをえないという状況に悩む人が、より多くの情報を得て、現在の仕事を継続できるような支援体制が進展をみたという具体例をみるとき、感慨深く思います。そしてサポートのために日夜努力をなさってきた関係者の皆様のご健闘を心から称えさせていただきます。

祝賀会には、欠席いたしますが、今後も中途視覚障害者の雇用問題における諸問題の解決をみまもり、協力していきたいと思います。

柴田優子(元NHKアナウンサー)
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設立祝賀会開催のご案内ありがとうございました。ちょうどこの日は家の都合で福岡にいなければならず、残念ながら出席できません。一言お祝い申し上げたくてメールしました。

「これまでも地道な活動を続けてこられたことはすばらしいことでした。法人設立を契機に、全国に埋もれている多くの仲間達の心の支え手としてさらに飛躍されることを願っています。

多くの同志達はどんなに勇気づけられることでしょう。心から応援させていただきます。

倉知延章(九州ルーテル学院大学 人文学部心理臨床学科)
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この度は、NPO法人としての新たな出発、おめでとうございます。いつもいつもタートルの活動からは学ばせていただくことばかりです。

病院のソーシャルワーカーとして一人でも多くの患者さんに貴会の存在をお知らせしていきたいのはもちろんですが、同じソーシャルワーカーの仲間たちにも、貴会の活動を伝えさせてもらいたいと思っています。

新八柱台病院医療福祉相談室   石橋、村上
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この度、中途視覚障害者の復職を考える会(タートルの会)が特定非営利活動法人タートルとして広く社会的に認められたことと併せて、「タートル設立祝賀会」の良き日に際し、遠路京都の地より同じ課題に立ち向かう当事者の1人として敬意と賛意を込めてお祝いの言葉を送ります。

貴団体の活動は日々京都に住む私たち視覚障害者にも大きな勇気と働き続けることの意義と確かな見通しを随所に示唆していただいていることは申すまでもありません。本法人にも中途で失明された方々のための生活訓練施設「鳥居寮」があり、見えにくい、見えなくなった方々の就労継続の問題は差し迫った課題です。多くの場合、当施設に辿りつかれた時には既に退職されたり、働き続ける気持ちさえも途絶えておられる場合が多かったように思います。しかし、私も含めて1人の視覚障害者が社会的に生きていくためには、「社会の中で働く」という大切な問題が解決されなければ本当の意味での「障害者の社会参加と平等」は達成されたことにはならないと思っています。

社会や雇用主の無理解や当事者の展望の持てないことへのあきらめの繰り返しにストップをかける意味からも、貴団体の運動は多くの中途視覚障害者のみならず、家族や施設関係者にとって大きな支えとなっています。

ここ京都でも、そうした中央での動きに呼応して昨年12月には当事者団体である「京都府視覚障害者協会」の職業対策委員会が主催して視覚障害者雇用・就労及び三療養成機関などを交えて第20回目の懇談会を開催したところです。今後は、更に事例に基づく検討の場や職場開拓の実践例などを増やす取り組みに拡大して参りたいと思っております。

一人でも多くの中途視覚障害者が働き続けられる地域社会を目指して、私たちも、幸運にも職を得ることのできた視覚障害者の先輩として後輩たちの安心できる雇用・就労環境の改善を目指して全力投球して参りたいと存じます。引き続き、地方の雇用・就労課題の解決に向け、ご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。

最後に、2006年から施行された「障害者自立支援法」、大きな柱の一つに「障害者の就労問題の解決」が掲げられています。お題目になることなく、一人ひとりの事例に学び、「障害者が社会の中でともに働くことの意義と可能性」を具体化するための運動と理解の輪を広げる取り組みを今こそ全国にも広げ、定着させていく取り組みにして参りたいものです。そのためのリーダーシップと新たな方向を指し示すための「タートルの会」に大きな期待と連帯のエールをお送りいたします。 本日は、遠路にてそちらの雰囲気を共有できない残念さはありますが、思いを届けるための一人としてメッセージでの参加とさせていただきます。

田尻 彰(社会福祉法人 京都ライトハウス 事務局次長 )
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「特定非営利活動法人タートル設立祝賀会のご案内」ありがとうございました。
折角のご案内ですが、当日は、所用のため参加することが出来ないことをお詫び申し上げます。

私は、現在、埼玉県障害者雇用サポートセンターで企業支援アドバイザーとして非常勤で勤務しています。昨年5月28日に開所した当センターですが、主に、企業に対する障害者雇用のサポート、啓発に取り組んでいます。しかし、視覚障害者の雇用についての相談は現在までのところ皆無であります。

また、地域では、目の不自由な方の外出支援ボランティアを行なっておりますが、私の住む地域には300名余の視覚障害者(在宅)の方がおりますが、実際に私たちと行動を共にする方は5%位にすぎません。目の不自由な方の就労や社会参加の難しさを痛感しております。このような時期に貴法人が設立されたことは大変意義のあることと敬意を表させていただきます。

私も微力ではございますが、目の不自由な方のQOLの向上のため公私にわたる活動を続けるつもりでおります。

貴法人の益々の発展をご祈念申し上げると共に、今後とも、お力添えの程よろしくお願い申し上げます。

埼玉県障害者雇用サポートセンター 企業支援アドバイザー  田島 康治
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特定非営利活動法人タートルの設立に当たり、心よりのお祝いを申し上げます。

ところで、全国視覚障害者雇用促進連絡会(略称「雇用連」)は、特に遅れている視覚障害者の雇用促進を目指して1979年、故松井新二郎氏を中心に結成された団体です。この間、「働きたい」と願う個々の視覚障害者の要求の実現を支援する一方、視覚障害者の雇用や就労に関連する制度の充実を政府に求めてきました。私たちの活動によって、国家公務員試験における点字受験の実現、いわゆる「職場介助者」の制度化等の成果を得ています。

また、中途視覚障害者の継続雇用の課題への取り組みも重視しており、貴会の下堂薗さんの助言もいただき取り組んできたところです。最近では、人事院との数度にわたる話し合いを経て、昨年1月29日付の「障害を有する職員が受けるリハビリテーションについて」と題する画期的な人事院通知を出させることができました。

タートルの会が1995年の結成以来、相談活動と情報提供活動に大きな実績を挙げてきたことに敬意を表します。また、私は、タートルの会の交流会に参加する機会が時々ありました。その場で、「目が見えなくなっても働き続けたい」と願う多くの方の切実な生の声を聴かせていただきました。そのたびに、私は中途視覚障害者の復職や継続雇用のための制度の改善に、もっと取り組まねばと決意を新たにしてきた次第です。

先日いただいたNPO法人タートルのリーフレットには、「今日の厳しい社会状況下で、具体的な支援のないまま退職に追い込まれている人は枚挙にいとまもありません。」と記されています。私たちもこれと同じ認識をもっています。さらに、「法人設立の目的」には、国、地方自治体、社会福祉協議会、職業リハビリテーション関係機関、医療機関、社会福祉団体、経営者団体、労働団体等との連携、協力の重要性がうたわれています。視覚障害者の就労問題は社会的理解が不可欠です。NPO法人取得をきっかけに、タートルの会がますますその社会的役割を果たされますよう、祈念いたします。

全国視覚障害者雇用促進連絡会会長 田中章治
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NPO法人タートルの新しい出発、おめでとうございます。

視覚障害者の就労について、より一層の力をえたと確信いたします。

タートルの益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

品川区視覚障害者協会 会長  笹原 実
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このたびは、NPO法人タートル設立、おめでとうございます!。

皆様が一歩一歩積み上げてこられたご活動が、より、安定した形で花咲くことを祈念しております。

祝賀会のご案内をいただき、ありがとうございました。

当日は仕事の都合でうかがうことができませんが、盛況間違いなしですね。

わたくしども団体も、力不足ではありますが、就労支援、あるいはITサポートセンター運営等、粛々とこれからも続けてまいります。

ぜひとも、今後も情報交換や連携をお願いしたく存じます。

このたびは本当におめでとうございました!。

社会福祉法人東京コロニー 社会福祉士  堀込真理子
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祝賀会には参加できませんが、NPO法人となられたことを衷心よりお祝い申し上げ ます。

中途視覚障害者の就労支援のために益々のご発展を期待しております。

港区障害者福祉課長   輿石 隆
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<会員>

この度はタートルの会のNPO法人化おめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。

思い起こせば私がタートルの会を知ったのは何年前になるのでしょうか。当時幼稚園現場にいた私は目が悪くなれば職を辞めるしかないのだと思い悩んでおりました。そんな折、福岡視力障害センターを訪れ、山田信也先生に出会いました。先生は私の話を聞き終わると1冊の本を渡してくださりこれを読んでからきてほしかったとおっしゃいました。そして、工夫次第でやれることがあるのだ。仕事をやめる事はいつでもできるけれどまずは経済的な安定を図ることが最も大切なことだと・・・。

当時一人娘を抱え、母子家庭だった私にとってはそのことが一番の悩みでもありました。その時渡された本が「中途失明それでも朝はくる」でした。これを音声化してもらい読んだ時、目からうろこが落ちたような気がしました。世の中には凄い方たちが沢山いらっしゃるんだ、そして目がわるくなったからといって仕事をやめる必要はないんだと。もしかしたら私ももう少し頑張れるかもしれないと思い始め、気が付くとタートルの会に電話をかけていました。おかげで次の年の夏休みを利用してパソコンの研修会に参加させていただきました。お陰で娘も無事大学を卒業させることができましたし、あれから7年、現在は教育委員会という部署の中で会議録の作成をさせてもらったり、幼稚園児に読み聞かせをしながらまだ仕事がどうにか続けられています。

ここ徳之島には360名余の視覚障害者がいるといわれています。しかし、晴眼者の中で仕事を続けているのはどうも私ぐらいのようです。「そこまで無理をする必要はないんじゃない?」等という声も聞きながら、「そろそろ限界かな?リタイヤしようかな?」等と葛藤しつつ、でもタートルの会からの情報等を聞くと「いやもう少し頑張ってみよう。」という気にさせられます。タートルの会はそんなふうに私の起爆剤になっています。私はいつも人生の節目節目で色々な人たちに助けてもらっていることに感謝しています。タートルの会を知らずにいたら果たして今日まで仕事がつづけられていたかどうか疑問です。これからもタートルの会のますますの発展を心よりお祈り申し上げるとともに日本の南の果て徳之島にも一人の会員がいるということを知っていただきたいと思います。

木場美枝子
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タートルのNPO法人化おめでとうございます。

中途といっても私は小学校6年生の時で、みなさんとちょっと事情が違うかもしれませんが、仕事に対する思いは同じ。共にがんばっていきましょう。

藤川 誠一
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【編集後記】

中途視覚障害者の復職を考える会(通称:タートルの会)という任意団体から特定非営利活動法人タートルとして、前年の12月3日付の登記完了後、どのような形でお披露目をするか、いろいろと検討を重ねました。開催時期についても、遅きに失しないよう、新生タートルの概要をご理解いただく資料の準備に間に合うことを優先させて決定していきました。新たなるものを生み出すわけではなく、13年間の実績を踏まえて事業の継続に重点をおき、その基盤の上に立って着実な拡大路線への脱皮のきっかけにしようと執行部は合意したわけです。法人としての組織、運営、会員間の意識などなどまだまだこれから歩きながら考え、決めていこうというスタンスで、まずは出発したということです。めざす目的地はみな同じ「視覚障害者が安心して働き続けられる、働ける社会」です。

祝賀会には、大勢の方に集まっていただくこと、「中途視覚障害者の継続雇用を支援するために」の思いを各界の方に話していただくこと、そして、視覚障害当事者が企業の方と一緒に参加して職場の紹介をしてもらうこと、また、新生タートルに期待と支援を込めた祝辞もいただきたいこと、祝電の披露、参加者全員の……、と盛りだくさんの企画を短い時間の中に詰め込んだわけです。

そのために、発言していただいた方々、発言していただけなかった方々、すべての参加者にご迷惑をお掛けしたこと、この紙面を借りて主催者として心よりお詫び申し上げます。

ご発言をいただいた方の録音の文字起こしを整理して、この紙面に掲載させていただくこと、祝電やメールメッセージも紙面に掲載することとしました。

祝賀会は短い時間の中で慌しく、しかし、内容の充実した集まりであったと大変好評でした。新生タートルに対する強い期待と今後の発展を願う声をしっかり受け止めると同時に、社会的責任を痛感したしだいです。参加者全員の皆様に深く感謝申し上げます。

なお、資料として、NPO法人タートルのリーフレット、賛助会員募集のご案内、情報誌タートル創刊号を同封して、お持ち帰りいただきました。また、日本盲人職能開発センターが創刊した「センターだより」も併せて同封しました。

ここで、改めて皆様にお願いしておきます。タートルの事業を充実、発展させるうえでも、できるだけ多くの方に賛助会員となっていただきたいのです。ご連絡いただければ、資料をお送りいたします。ご支援、ご協力のほど宜しくお願いいたします。

(事務局長 篠島永一)

特定非営利活動法人 タートル 情報誌
『タートル第2号』(NPO法人タートル設立祝賀会特集号)
2008年3月15日発行SSKU増刊通巻第2734号
* 発行 特定非営利活動法人 タートル 理事長 下堂薗 保
* 事務局 〒160-0003東京都新宿区本塩町10-3
 社会福祉法人 日本盲人職能開発センター 東京ワークショップ内
 電話 03-3351-3208、ファックス 03-3351-3189
 郵便振替口座: 00150-2-595127, 加入者名 特定非営利活動法人タートル
* NPOタートル連絡用メール m#ail@turtle.gr.jp (SPAM対策のためアドレス中に # を入れて記載しています。お手数ですが、 @ の前の文字を mail に置き換えてご送信ください。)
* URL http://www.turtle.gr.jp/


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