1998年10月9日第三種郵便物認可(毎月3回8の日発行)
2009年5月12日発行 SSKU 増刊通巻第3142号
「振り返って 〜これから〜」
監事 和泉 森太(函館在住)
任意団体であった「中途視覚障害者の復職を考える会」ができてから15年近くになろうとしています。当初考えていなかった法人格を取得するまでに到りました。暗中模索でただ走るのみだったことから考えると、時間が過ぎているなぁ!と感じます。40代だった私も今は61歳。総会が終わって一ヶ月もしないうちに62歳になります。退職して以後全くもって無職でいる状況は働いている方々に申し訳ないとさえ思える今日このごろですが、忙しく働いていたことは何だったんだろうと振り返ることがあるのです。仕事は楽しんで来たつもりですが、果たして周囲の人達が迷惑を蒙っていなかったか?甚だ疑問ではあります。お陰でタートル会員には私と同じ国立施設で働いている職員は一人もいません。
某氏の原職復帰の見通しが付いたことが一気に加速させたことははっきりしていますが、熱心だったのは理事長以下多くの現役で働く人達でした。また、社会福祉法人日本盲人職能開発センターには大変お世話になってきました。そこに集う今の役員の皆さんがその心を保ち、その熱意が今に結実していると理解します。函館に住まいする私は何ら貢献することなく過ごしています。人生の切り替えが出来るものであれば、そう思い、東京をはなれることにしたのですが、さほど思うようには事は運びません。ただ、心を自由にし、自身を取り巻く環境に感謝して生きる努力をしたいものと考えます。無職2年目に入っても変わらないのは働かないことの意味です。欧米ではリタイアという概念が昔から存在し、日本には存在が見えていないことにあります。
今、私は仕事の延長上には考えていないのですが、函館で知り合った方から誘われて、視覚障害者と聴覚障害者の方々と「ユニバーサルホーム函館をつくる会」を共に立ち上げ
たところです。予定はしていなかったけれど、この任意団体の会長になりました。
彼らには遠く離れた旭川や江別といった北海道の真ん中や北の方に行かなければ入居できる老人ホームが無いのです。住み慣れた地域で生を終えたいという願いを実現するために出来る範囲で付き合う予定でいます。タートルが産声を上げた当時を思い起こして奮起していくつもりです。一人ひとりを大事にする時代が始まっています。お互いを大事にし合う新しい時代を作っていきましょう。
さまざまな職務形態について考える(在宅勤務編)
株式会社 建築資料研究社 マーケティング部 北神 あきら氏
(はじめに)
皆さんこんにちは。タートルの交流会に参加するのは、4〜5年ぶりかなと思いながら、懐かしいお声に接して、とてもうれしい気持ちです。早速ですが、自己紹介をさせて頂きます。名前は北神あきら。字は方角の北に神様の神で、あきらは、ひらがなです。
私は今からほぼ20年前に失明しました。原因は網膜剥離で、入院して3ヶ月くらいの間にどんどん視力が落ちて、一挙に光覚という失明の過程でした。
それまで印刷会社に勤務していたのですが、そちらに復職すべく、所沢の『国立身体障害者リハビリテーションセンター』、そして『国立職業リハビリテーションセンター』、当時の電算科、今でいうOAシステム科に入所して、合計1年半訓練を受けて、復職を目指しました。その当時は今と比較にならないほど、まだ視覚障害者が企業で働いている数というのは少なくて、私も視覚障害者に成り立てで、会社ももちろん視覚障害者が何だということは、全く分からない状態で、結局、1年間の猶予で退職にしようかという結論になりました。1年間求職活動をしまして、求職の期限が1993年の3月31日で切れるのですが、4月1日に今の会社に入社しました。全く1日も切れることなく入社できたというのは、とてもラッキーだったと思います。
1 会社の事業概要等について
今いる会社は『建築資料研究社』という会社です。建築関係をやっている人ですと、どこかで聞いたことがあるかと思います。会社の名前は聞いたことがなくても、『日建学院』は知っていると言う人が多いと思います。現在、全国で135校、学校を持っています。建築士、宅建(宅地建物取引主任者)、施工管理技術者等、建築関係の色々な資格について、約30種類以上の教室を持っている試験を受けるための予備校のような会社です。それ以外に、ここ4〜5年の事業ですが、日商の簿記・環境社会検定等、検定試験に向けてのWebを通したeラーニングもやっています。それとは別に、衛星放送を通じて、工務店に情報を提供する『工務店チャンネル』と呼ばれる放送事業、出版事業、CADソフトの販売事業などもやっています。教育出版会社といったところです。
その会社で私は最初OA推進室なるところに入って、色々遍歴があって、今、マーケティング部広報室というところに所属しています。入社して16年ですが、その間に8回部署を替わっています。待遇は正社員です。私の会社は、基本的に障害者も皆正社員です。
2 職務内容等について
仕事の内容は、現在週2回、社員向けにメールマガジンを発行しています。これはWordで作るのですが、プリントアウトするとA4で2枚強くらいのメールマガジンを、週2回発行しています。記事集めから編集、記事執筆、制作、レイアウト作りまで全部1人でやって、後でチェックは受けますが、そこまで全部1人で担当しています。
それ以外に、会社のWebサイトに色々な情報があるのですが、これは専門家が揃っていながら、なかなか皆見る時間がないのです。試験日程、願書受付期間、試験日、合格発表日等、試験の情報がかなり経ってから分かるなんていうケースも結構あるのです。それを私が、その頃になるとWebサイトを見て、発表になると同時に、その情報を会社に提供して、会社に資格カレンダーというのがあるので、それに書き込んでもらいます。また、会社のコールセンター、顧客サポートセンターの情報として、その他にも幾つかの部署で使ってもらっています。それから、業界関連のニュースを集めて提供すると、会社のWebサイトに、業界の関連ニュースという形で使われると同時に、会社が出している『日建新聞』にも、私の記事が掲載されます。もう1つは、私が入社してから2〜3年後に作ったデータベースシステムが、ようやく新しいシステムに替わります。そのメンテナンスの作業も続けています。あとは、ランダムで時々仕事の依頼が来ます。今、来ているのが、以前、社員向けの研修のために、ビジネスマナーですとか建築用語、外来語等をずっとシリーズで、メールマガジンに載せていた記事を、社内向けの研修に使えるような情報としてまとめて欲しいというものです。
3 在宅勤務の形態等について
先程、正社員というお話をしましたが、私は年俸制ですので、残業がない他は、勤務時間もその他の就業規則上の扱いも、すべて他の社員と同じです。勤務時間は9時〜18時、昼休みが12時〜1時、全くこれは同じです。だからといって、全く出勤しないわけではなくて、私は1993年に入社してから、3年半くらい出勤していました。そこで1年半くらい在宅になって、また1年半くらい通って、その後ずっと在宅です。会社は池袋にあるのですが、16年の内5年間くらいは、そこに通っていました。本社社員は300何名かいるのですが、かなりの人は顔馴染みになっています。その他現在打ち合わせなどで、平均すると、月1回くらい池袋の方に行きます。それ以外は、基本的に電話とメールでやり取りをする、ネット上ですべて仕事をこなすという状態です。今はこうですが、93年に入社して16年間、順風満帆であったかというと、決してそんなことはありません。
入社してからの3年くらいで、実は在宅になったというのは理由がありました。本当は、俗にいう、今ならパワハラと呼ばれるようなものがあって、私が対象ではなかったのですが、そんな関係でとても職場が暗い雰囲気になって、私は耳鳴りが止まらなくなりました。
これはまずいと思って話をしたら、では家で仕事をすればということになったのですが、実は約1年半から2年くらいはほとんど仕事がなく、その前に作ったデータベースのメンテナンスの仕事が多少入っていましたので、それで何とか食いつないでいたのです。会社にたまに出勤しても、あまり相手にされないという状態でした。その時に、ExcelのVBAの教科書があったので、どうせ暇なのでVBAの教科書をあけて、Accessを絶対将来使えるからAccessをやろうと思って、対面朗読でAccessの教科書を読んでもらって、どんなものかだけ、とりあえず勉強しました。ExcelのVBAは少しだけ実習ができましたが、基本的にはあまり実習はできませんでした。それでもそのおかげで後になって、このExcel、VBAとAccessがものすごく活きてきました。そんなプログラミングをやらせてくれる仕事がいつ来るか分からないので、逆に攻めにいってやれと考えました。攻めというのは何かというと、その頃うちの会社で何が必要かと考えたら、情報の提供が少なかったのです。だからこれはもしかすると、社員向けに情報提供をしたらおもしろいぞと思いました。これは、大脇さんからヒントをもらったのです。大脇さんは、社内向けに情報を出しているのです。アレンジを始めてメールマガジンを作りました。勿論、全然仕事で言われたことでも何でもないので、全く認められていることではないのですが、そしたら読むよという人が30〜40人くらい現れたのです。これは使えるぞと思って、大体それを週に1回ずつ出して40〜50号くらいまで出していくうちに、段々メールマガジンを作るノウハウも、少しずつ身に付いてきました。その後出勤したのですが、ところが行った部署が何とMacを駆使したデザインをする部署で、そこで何をやっていたかというと、Excelを使って集計をやっていたのです。これはとても単調な仕事で、もらった仕事は大体1時間で片付きました。残りは派手な内職もできないと思いながらも、VBAの勉強を続けましたがやっぱり暇でした。それでメールマガジンをまた続けたら、今度は2回目の山が来ました。そこの担当の役員の耳に、メールマガジンを出していることが入り、言われないことはするなと言われました。
そうか、ということはそれだけ意識していたのだと、これはいけるぞと思って、これは絶対会社に必要だと思うからやっているので、そしたら私が次の部署に行ったときに、一挙にメルマガの話が急浮上したのです。もともと皆欲しかったのです。メルマガを止められた時から、いつかやりましょうねという社員が何人もいたのです。今あるメールマガジンは、前身がワンクッションあるのです。その前に100本くらい出したメールマガジンがあるのですが、これを始めて4年以上になります。毎週2本ずつ出していますからもう400何号くらいになっています。この関連の情報は、他に誰も作っていないので、相手が役員でも部長でも管理職でも、全然怖くありません。不思議なもので丁寧に対等に話していると、向こうもちゃんと対等に話してくれるという感じがします。
私は、一応今は、パソコンは勿論スクリーンリーダー、ネットワーク、電話も皆会社から支給されていますが、最初の在宅勤務の時は、ほとんど何ももらえていませんでした。それでも何も言わなかったです。今充電の時間だから、時間をもらったと思って、そんなことをして、16年経ってみると、結局仕事がない時にやったことが活きています。
頼まれることのある部分は、Excelの変な表があって、これを作り変えたいのだがと言ったら、VBAを使えば簡単に作り変えられる。それから、今デザインをやっている部署にいて、印刷の窓口もそこはやっているのですが、その発注の依頼の仕組みを作って欲しいという依頼が来て、それもVBAを使えばとても簡単にできてしまいます。そしたら、すごいですね、と感心されます。関係会社を含めて2,000人近くいますが、VBAが使えるのは、50人はいないと思います。ましてAccessが使える人は、会社の中で一応本社で私が知る限り10人くらいいますが、AccessのVBAまで組めるという人は、多分5人といないと思います。これは絶対に自分の独占的なものになれる、決して無理をしているわけでもない。
メールマガジンの情報源というのは、私のパソコンのお気に入りに、200以上登録されていますが、これが皆私の仕事の財産です。勿論、著作権は皆会社のものですが、仕事のノウハウは私が獲得したものなので、こうやって仕事の実績を作っていくことで、いやが応にも実績として、認めてくれているのかも知れません。
私は来年定年です。最終的には不明ですが、この間聞いた中では、少し残りませんかという話が来ています。うちの会社は、実は雇用率を達成していないので、雇用率を達成するためではとも考えられますが、少なくとも、あいつは早く辞めればいいという存在ではないということだけでも、確認できたらこれでいいのかなと思っています。
その背景にあるのは、今日のまとめの中で幾つか話しますが、私は会社に入ってこの方、1度も視覚障害者を理解して下さいと言ったことはありません。私自身に問いかけたのです。じゃお前はほかの障害者のこと、外国から来ている人のことを知っているか。何も知らないのです。それなのに自分のことだけ理解してくれ、それは無理な話です。だとしたら、普通にしているのがいい。不思議なもので、皆ちゃんとガイドもしてくれるし、無理なくサポートしてくれるし、間違っても私に車の運転をしてくれなんて、誰も言いません。
もう1つ、私は何人かの方から聞いたのですが、最初に自分はこれはできるが、これはできないと言っておいた方がいいと。私はこれも1度も言ったことはありません。理由は、できないと1度言ってしまうと、2度と仕事は来ません。例えばデータ作りはできるが、レイアウトは作れませんと1度言ってしまったら、もうこの仕事は絶対に来ません。だから、レイアウトを作るのがかなり大変な頃から、レイアウトを無理矢理でも作って、ひどいレイアウトだねと言われながらも、直してやっていくうちに、あいつはレイアウトまで作れるのかと思ってくれました。今、そのメールマガジンはWordで作って、勿論レイアウトも色も付けています。色々な書式を付け、たまに誤字・脱字があって、これは字が違っていますよと来ますが、でも非常に少ないです。聞いた話ですが、レイアウトは晴眼者に任せておけばいい、視覚障害者はデータだけ作ればいいと。私はそれで本当にいいのかなと思います。不可能ならしょうがないのですが、今、WordもExcelも可能ですから、可能であればやらないと、結局、自分の仕事を失っていくことになるという気がします。
私自身、定年を1年後に控えている今、16年間の中で1番落ち着いている気がします。仕事も量としては十分過ぎるほどあります。
4 在宅勤務ならではの特徴等について
私の1日の日課は、起きるのが4時くらいです。まず、メールチェックとか、色々な関係のことを、6時半までやります。食事をして8時過ぎから、会社の仕事を始めます。それで定時は6時ですから、あまり残業はしません。今はもう毎日が、あっという間に飛んでいく状態です。週2回のメルマガ、日程の提出、ニュースの送信、その中に校正の依頼等、飛び込みもあるので、ゆとりはないが非常に充実しています。10何年前の1日何もすることがないことを思うと、隔世の感があります。その何も仕事がなかったとき、何を考えたかというと、自分自身のことを考えず、今自分がいる会社は何が必要なのだろうと考えると、答えは簡単に出てきました。VBAもそうだったのです。VBAが書ける社員がいないことは分かっていましたから。
また、どんなに仕事がない状態でも、何か仕事はありませんかという言い方をしたこともありません。目を使う仕事だからと言われるのが落ちだから、無駄な質問をしてもしょうがないのです。自分は会社に何年もいるから、何が会社に必要かよく分かっているので、自分が果たせるのは何かと考えると、VBAであり、メールマガジンでした。
そのおかげで今社外向けメールマガジンも、こんなことを言うと手前味噌になるのですが、私が作ったメルマガは、かなりこれはぱくられたぞ、みたいなものがいっぱいあります。ぱくられるくらい使われているということは、とても幸せなことです。その代わり勉強もしましたし、メールマガジンがどんなものか、大体今平均10幾つの業界のメールマガジンを読んでいます。それは記事を見るだけじゃなくて、メールマガジンがどんな作りになっているか、どんなふうに編集をしているか、どんなレイアウトなのか、そういったことを知るチャンスでもありますから。社員にとって役に立つ、社員にとって役に立つということは、会社にとって役に立つ。会社が儲かればいいという最終的な目標でやっていたら、うちの会社は教育の会社、建築士を多く送り出すための会社ですから、そういう教育をするために何をしたらいいか、自分ができることは何かと考えていくと、答えはとても簡単だったのです。自分が今できることをやればいい。「1〜2年後に認められなくても、5〜10年後に認められるかもしれない」でいいと思ったのです。その当時は、これは無駄骨かも知れないなと思っていました。ただこんなにやったことがすべて花が咲いてくるとは、自分自身でもちょっと意外だったなという感じがあります。今、考えると、決して16年間が平坦ではなかったように思います。ただし、私は性格的に楽天的なせいか、失明した時もそうなのですが、見えなくなったものは仕方ないやと、どこかで割り切ったところがありました。時間をもらったと思って何かやろうと、無理矢理でもいいからプラス志向に持っていくと、自分自身が明るくなっていったかなと思います。
会社の上司とは、ぶつかったことは1度もないですね。ぶつかっても、こちらが損するわけです。私は自分自身に、穏やかに、強かに、をいつも言い聞かせているのです。一見穏やかそうに、素直そうに見えて、裏で強かにいければいいかなと考えています。先程、非常に安定しているとお話しをしましたが、すべてで満足している訳ではありません。それは、普通のサラリーマンでも、皆会社に不満もあり、上司に不満もあり、色々なところに不満があるのは当たり前です。壁にぶつかればぶつかるほど、人生はよく楽しませてくれるよというくらいに思えるようになれればいいなと思っています。勿論、いつも、そんな素直な明るい気持ちでいられるわけではありません。無理矢理でもそう言い聞かせることによって、何か自分のやることが見えてきたような気がします。VBAをやったのも、決して最初からVBAとすぐ思いついた訳ではありません。もうやることがなくてどうしようと思った時期が半月〜1ヶ月とあって、いっそのこと人がやれないことをやってやろうと思いついたのが、どのくらい後か忘れましたが、そのとき思ってExcelのVBAをやってやろう、Accessをやってやろうと。その後メールマガジンをやったらどうだろう、このように段々少しずつ出てきたのです。
5 その他、在宅勤務の参考等について
在宅で仕事をするために1番大事なことは、自己管理と健康管理だと思っています。自己管理というのは、当たり前のことですが、規則正しい生活です。9時〜6時まではちゃんと会社の仕事をするというこのリズムは崩さない。これを守らないと、必ずこういうのは仕事の質になって出ます。それから健康管理です。当然運動不足になりますから、毎朝のラジオ体操、1日30回くらいですが、腹筋運動をやったり、1番結構体を使うのは家事労働です。掃除をしたり、風呂を洗ったり、そういうことをできるだけやるように、そうすると生活にリズムができてくるし、自分自身もどんどん前向きになってきます。
在宅というのは、決してマイナスの働き方ではない。厚生労働省も、在宅勤務を奨励しているくらいですから、決して時代に合わない働き方ではない。寧ろ時代の先端を行っている働き方だと言えるわけです。在宅になったからといって、落ち込む必要はありません。
ただ、最後にお話ししておきたいのは、在宅がすべていいとは限らない。できれば通勤というのを、多少なりとも経験できた方がベターだと思います。特に就労未経験の方は、1回は通勤して会社の雰囲気、通勤がどういうものか、職場の雰囲気を味わった上で、在宅をされるのがいいかなという気がします。
まだまだ私自身も、色々な面で未熟ですが、いつまで仕事ができるかは別として、とにかく自分が働ける限りは、自分のペースで無理なくやっていきたいと思います。ちょうど50分になりました。ありがとうございました。
新規就職者が、入社後に活用した制度、サポートいただいたこと
理事 石山 朋史
3月連続交流会の後半では雰囲気を変えて、パネルディスカッションの形式で参加者の皆様に情報を提供いたしました。今回の会報では、発言された情報を基に私のほうで内容を総括して報告させていただきます。
パネルディスカッションのメインテーマは、視覚障害当事者が入社後、就労において、特に仕事内容、通勤、補助機器、コミュニケーション、仕事上の悩み、将来のキャリアパスといった主要項目で、視覚障害当事者がどのようなことを考え、体験をし、また企業が、どのようなサポートを提供したかなど、事務系業務2名の方をパネラーとして迎え事例を中心に情報の提供を行いました。
仕事の内容については、パソコンでの作業である議事録作成、グループウェアへの会社情報掲載、研修対象者へのメールでの案内・リスト作成、社内報の原稿依頼、とりまとめ、各種データの集計などから電話応対、書類のコピー及びテプラを活用したファイリング、事務用品発注や郵便物や鍵の管理など、パソコン使用以外の作業もこなしています。特にパソコンを使用しての業務ではインターネットで情報収集しながら顧客データの情報登録を行う作業ということで他部門での横展開への可能性を感じ、また議事録作成の作業では繰り返し再生や再生位置の調整が難しいICデコーダーよりも再生位置の調整がしやすいPLEXTALKを使用して業務改善を図っていることが印象に残りました。
通勤については事前に歩行ルートを決め、入社までに何回も練習するという方法を取っているそうです。弱視でも必ず白杖使用は必須で他者との接触によるトラブルも回避されます。それと重要なポイントとして夜盲といった懸念事項などを面接時に明確に伝えていたことで入社前から同僚に周知され定時退社の配慮も会社側で行っているとのことで、あらかじめ会社側に懸念事項を伝える重要性が伺えます。また歩行訓練を行うことで、夜間歩行が問題ないことを会社側に認識してもらい、遅くなっても周囲に安心いただくことも有効とのことです。
補助機器については主にパソコンを音声化するスクリーンリーダーを導入されているそうです。選定、導入に関しては入社前に通っていた障害者職業訓練校の職員やケースワーカーに同行してもらい、実際に使用するソフトウェアの動作検証を実施、また平行して企業の費用負担を軽減することを目的に国の助成制度に関連する提案も行ったそうです。
コミュニケーションについては、普段の挨拶が重要で廊下で誰かとすれ違う時は必ず挨拶をするとのこと、それにより相手から声をかけてもらうことも多くなって来ます。また議事録を作成するために多くの会議にて書記を行っているうちに同僚達と仕事上でのコミュニケーションも形成されたそうです。
仕事上の悩みについては、仕事の分量に波があるといったことが上げられます。仕事をしていくうちに作業効率は当然、改善されることから同じボリュームの仕事量であれば手の空く時間も生じてしまうのが現状です。その対策として普段から他部門や同僚の仕事をウォッチしていき、タイミングを見て上司に提案するというアクションをすることで職域拡大に結びつけることを心がけているそうです。
将来のキャリアパスについては、視覚の有無とは関係のない業務知識や専門知識を活用し、頭で考えて成果を出す業務に進んでいきたいとのこと、また同僚が所持していない視覚障害という立場での目線を有効活用し障害者に関連した業務で成果を出していくことでキャリアパスを形成していきたいとのことでした。
最後に今回のパネルディスカッションでは、様々な場面において視覚障害当事者が、どのようなことを考え、行動し、結果こうなったという具体的な事例での情報提供が出来ました。同じような環境で悩んでいる視覚障害当事者の方に、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
日時:平成21年6月13日(土)
10時(受付開始)、10時30分(開会)〜17時(閉会)
会場:港勤労福祉会館
〒108-0014 東京都港区芝5丁目18番2号
電話:03-3455-6381
内容 @平成21年度通常総会(午前)
A記念講演
「中途視覚障害者の就労継続に重要な障害の受容とロービジョンケアについて」
B交流
〈午前の部〉
@ 平成21年度通常総会(次第)
1 開会の言葉
2 理事長挨拶
3 議長選出
4 議事
(1)第1号議案 平成20年度事業報告(案)
・法人事業
・支援プロジェクト・調査研究事業
(2)第2号議案 平成20年度収支決算報告(案)
・一般会計
・特別会計
(3)第3号議案 平成20年度監査報告
(4)第4号議案 平成21年度事業計画(案)
(5)第5号議案 平成21年度予算(案)
(6)第6号議案 定款変更について
1. 理事の定員の変更について
2. 表決権行使の電子メール利用について
3. NPO法人タートルの通称について
(7)第7号議案 平成21年度役員選任
(8)新役員の紹介
(9)閉会の言葉
〈午後の部〉
A 記念講演
演題:「中途視覚障害者の就労継続に重要な障害の受容とロービジョンケアについて」
講師:仲泊 聡氏(国立障害者リハビリテーションセンター病院第三機能回復訓練部長)
〈略歴〉
1983年3月 学習院大学文学部心理学科卒業
1983年4月 東京慈恵会医科大学入学
1989年3月 同大学卒業
1989年5月 同大学研修医(眼科専攻)
1995年7月 神奈川リハビリテーション病院眼科
2004年1月 Stanford大学心理学科客員研究員
2007年1月 東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授
2008年2月 国立障害者リハビリテーションセンター病院 第三機能回復訓練部部長(現職)
B 交流
*編集者注:表形式の資料をテキスト化しました。多少判りにくいかと思いますがご了承ください。
平成20年度事業報告書
平成20年4月1日から平成21年3月31日まで
特定非営利活動法人タートル
1 事業の成果
NPO法人タートルは、1年を通しての事業計画に基づいて行う初体験の年であり、任意団体の時とは意識も新たに粛々と事業の執行に努めた。従前からの事業は実績を重んじて踏襲することとし、新たな就労啓発事業において、企業へのアンケート調査を実施した。@雇用主の雇用条件と要望、A視覚障害者の働ける条件と環境をまとめた。また、セミナー開催事業については、平成20年度障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)の国庫補助を受け、「視覚障害者の就労の基盤となる事務処理技術及び医療・福祉・就労機関の連携による相談支援の在り方に関する研究」の一環として実施した「視覚障害者雇用継続支援セミナー」と併せ開催した。中途視覚障害者の障害の受容と早期視覚障害リハビリテーションの受講にロービジョンケアの重要性が再認識された。
2 事業の実施に関する事項
特定非営利活動に係る事業
○ 事業名: 相談事業
○ 事業内容:
a. 面接による個別相談
b. 電話による個別相談
c. メール、手紙による個別相談
○ 実施日時:
a. 個別 14件(08/5/21, 08/5/28, 08/5/30, 08/6/2, 08/6/3, 08/7/1, 08/8/9, 08/9/2, 08/9/5, 08/10/15, 08/11/18, 08/12/2, 09/1/23, 09/1/26)、名古屋 7件(09/1/18)
b. 電話 個別約20件
c. メール 継続相談
○ 実施場所:
a. 日本盲人職能開発センター、名古屋都市センター
b. 担当者自宅
c. 担当者自宅
○ 従事者の延べ人数:
a. 60人
b. 40人
c. 20人
○ 受益対象者の範囲及び人数:
a. 障害者、家族、関係者 50人
b. 障害者、家族、関係者 100人
c. 障害者、家族、関係者 150人
○ 支出決算額(円): 190610
○ 事業名: 交流会事業
○ 事業内容: 復職、再就職、就労継続について情報提供、会員相互の交流、情報交換
○ 実施日時: 4回、うち1回は地方 (2008/9/20, 08/10/18, 09/3/21、名古屋 09/1/17)
○ 実施場所: 日本盲人職能開発センター 、名古屋都市センター
○ 従事者の延べ人数: 30人
○ 受益対象者の範囲及び人数: 障害者、家族、企業人事担当者、就労支援関係者等 60人*4回 240人
○ 支出決算額(円): 434575
○ 事業名: 情報提供事業
○ 事業内容: 情報誌「タートル」の発行
○ 実施日時: 4回(2008/3/15, 2008/5/5, 2008/8/20, 2008/12/16)
○ 実施場所: 日本盲人職能開発センター
○ 従事者の延べ人数: 50人
○ 受益対象者の範囲及び人数: 障害者、家族、企業経営者、企業人事担当者、就労支援関係者 500*3回 1,500人
○ 支出決算額(円): 527553
○ 事業名: セミナー開催事業
○ 事業内容: 「視覚障害者雇用継続支援セミナー」 中途失明者の職場復帰を中心に医療、福祉、労働、職業訓練等の連携を強調。
○ 実施日時: 2008年11月6日
○ 実施場所: 東京・中野サンプラザ
○ 従事者の延べ人数: 30人
○ 受益対象者の範囲及び人数: 障害者、家族、企業経営者、人事担当者、就労支援関係者、一般市民(不特定多数) 約200人
○ 支出決算額(円): 0
○ 事業名: 就労啓発事業
○ 事業内容: 企業へのアンケート調査。@雇用主の雇用条件と要望、A視覚障害者の働ける条件と環境をまとめた。130社、改修 28社
○ 実施日時: 2008年09月01日
○ 実施場所: 日本盲人職能開発センター
アンケート先 企業130社 4回
○ 従事者の延べ人数: 20人
○ 受益対象者の範囲及び人数: 障害者雇用優良事業所ほか 130社
○ 支出決算額(円): 182520
「視覚障害者の就労の基盤となる事務処理技術及び医療・福祉・就労機関の連携による相談支援の在り方に関する研究」の実施報告について
平成20年3月24日付で厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長宛に「平成20年度障害者保健福祉推進事業の実施協議について」を提出したところ、同年6月9日付の内示書が届き、申請金額の約7割に相当する680万円で標記テーマにより調査研究事業を受諾した。
事業の目的は、多様な業務で求められる事務処理に関して、IT技術の活用により視覚障害者が対応できる幅が拡がってきたが、それが関係の相談支援機関にまだ十分に周知されておらず連携支援が十分に行われていない。そこで、訪問調査による事例研究、IT機器の検証等を通して、視覚障害者の事務処理の可能性と課題を検証するとともに、その就労移行や復職に必要な環境整備、訓練、また、各機関の支援者に求められるスキルと連携の在り方などについて取りまとめ、関係者に具体的参考材料を提供し、視覚障害者の円滑な就労・職場復帰に資するとしている。
事業の具体的内容は、次のとおりである。
1. 検討会 学識経験者11人の委員で構成。3回開催し、研究の方向付け、報告書の取りまとめ等を決めた。
2. ワーキンググループ 福祉施設職員、職業訓練指導員、研究員、タートルの10人のメンバーで構成。8回の集まりをもって訪問調査対象者の抽出、聞取り調査の質問項目の決定、訪問調査の実施、記録作成等を実施した。
3. セミナーの開催 「視覚障害者雇用継続支援セミナー」を労務・人事担当等企業関係者、ハローワーク等就労支援機関、更生訓練・職業訓練施設関係者、労働組合・視覚障害者団体等支援機関、眼科医療関係者、産業医等を対象に、中途失明者の事例を中心に職場復帰の成功事例を報告し議論することで、各機関の連携の重要性と視覚障害受障初期段階でのロービジョンケアの重要性も参加者に理解を深めることができた。
4. 報告書の作成 訪問調査事例結果を中心に医療、福祉、職業訓練、当事者としてタートルの立場からの提言等を取りまとめ、報告書を作成。200頁を超す大部なものとなったが、4,000冊を印刷して関係機関等に配布する。
1. 検討会開催
第1回
日時 平成20年7月16日(水) 14:00〜16:00
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(大)
出席者 9名(道脇正夫、井上英子、下堂薗 保、杉江勝憲、高橋 広、田中恒行、津田 諭、長谷川裕子、宮田邦彦)
議事 視覚障害者の就労環境の現状確認、調査研究の方向付け
第2回
日時 平成21年1月21日(水) 14:00〜16:30
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(大)
出席者 9名(道脇正夫、井上英子、下堂薗 保、杉江勝憲、高橋 広、田中恒行、津田 諭、花井圭子、宮田邦彦)
議事 「視覚障害者雇用継続支援セミナー」の報告、訪問調査事例の結果報告、報告書のスケルトンの検討
第3回
日時 平成21年2月21日(金) 14:00〜17:00
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(大)
出席者 9名(道脇正夫、井上英子、小野 束、下堂薗 保、杉江勝憲、高橋 広、津田 諭、寺島 彰、宮田邦彦)
議事 報告書のスケルトンの確認 原稿執筆者の調整
2. ワーキンググループ開催
第1回
日時 平成20年7月16日(水) 17:00〜19:00
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(小)
出席者 7名(安達文洋、石川充英、坂田光子、杉田ひとみ、津田 諭、松坂治男、渡辺哲也)
議事 訪問調査対象者の抽出
第2回
日時 平成20年7月26日(土) メールにて訪問調査の質問事項の検討
参加者 9名(安達文洋、石川充英、石山朋史、坂田光子、杉田ひとみ、津田 諭、星野史充、松坂治男、渡辺哲也)
第3回
日時 平成20年8月9日(土) メールにて訪問調査の質問事項の確認
参加者 9名(安達文洋、石川充英、石山朋史、坂田光子、杉田ひとみ、津田 諭、星野史充、松坂治男、渡辺哲也)
第4回
日時 平成20年8月30日(土) メールにて質問事項の最終確認
参加者 9名(安達文洋、石川充英、石山朋史、坂田光子、杉田ひとみ、津田 諭、星野史充、松坂治男、渡辺哲也)
第5回
日時 平成20年10月4日(土) 14:00〜18:00
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(小)
出席者 7名(安達文洋、石川充英、坂田光子、杉田ひとみ、津田 諭、松坂治男、渡辺哲也)
議事 訪問調査結果の報告会、統一的記録。調査対象15社、30名(視覚障害当事者、人事又は上司)
第6回
日時 平成20年12月28日(土) 14:00〜18:00
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(小)
出席者 8名(安達文洋、石川充英、石山朋史、杉田ひとみ、津田 諭、星野史充、松坂治男、渡辺哲也)
議事 訪問調査結果の文章化の調整
第7回
日時 平成21年1月21日(水) 17:00〜19:00
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(小)
出席者 4名(石川充英、坂田光子、杉田ひとみ、津田 諭)
議事 事例ごとの特徴を端的に表現するキャッチフレーズの調整
第8回
日時 平成21年2月21日(金) 17:30〜19:30
会場 日本盲人職能開発センター 会議室(小)
出席者 4名(石川充英、坂田光子、杉田ひとみ、津田 諭)
議事 報告書作成の調整
3. セミナーの開催
「視覚障害者雇用継続支援セミナー」のテーマにより平成20年11月6日に、東京・中野サンプラザで開催した。参加者は136名と大幅に定員を超す盛況裡に終えた。参加者の内訳は、マスコミ関係4、視覚障害当事者関係18、医療関係4、その他1、教育関係7、労働関係16(ハローワーク5)、福祉関係10、企業関係54(企業数38)、主催関係23となっている。
平成20年度 特定非営利活動に係る事業会計収支計算書(案)
平成20年4月1日から平成21年3月31日まで
特定非営利活動法人タートル
(経常収支の部)
T 経常収入の部
1 会費収入 予算額: 1600000、決算額: 1090000
・正会員 予算額: 1100000、決算額: 935000、摘要: 210人中 187人
・賛助会員 予算額: 500000、決算額: 155000
2 事業収入 予算額: 62000、決算額: 87365
・交流会事業収入 予算額: 12000、決算額: 87365
・セミナー事業収入 予算額: 50000、決算額: 0
3 補助金等収入 予算額: 0、決算額: 0
4 寄付金等収入 予算額: 200000、決算額: 706970、摘要: ロービジョン学会ほか
5 その他の収入 予算額: 2311671、決算額: 2315076
・利息収入等 予算額: 1000、決算額: 4405
・前期繰越金繰入 予算額: 2310671、決算額: 2310671
T 経常収入合計 予算額: 4173671、決算額: 4199411
U 経常支出の部
1 事業費 予算額: 1840000、決算額: 1335258
・相談事業費 予算額: 320000、決算額: 190610、摘要: 借室料 60,000
・交流会開催事業費 予算額: 490000、決算額: 434575、摘要: 名古屋交流会等
・情報提供事業費 予算額: 400000、決算額: 527553、摘要: タートル2,3,4,5号関係、HP等
・セミナー開催事業費 予算額: 300000、決算額: 0
・就労啓発事業費 予算額: 330000、決算額: 182520、摘要: 借室料 60,000
2 管理費 予算額: 680000、決算額: 477583
・役員報酬 予算額: 0、決算額: 0
・給料手当 予算額: 0、決算額: 0
・備品費 予算額: 30000、決算額: 0
・光熱水費 予算額: 0、決算額: 0
・消耗品費 予算額: 150000、決算額: 137572
・通信運搬費 予算額: 150000、決算額: 125346
・交通費 予算額: 200000、決算額: 171010
・印刷製本費 予算額: 50000、決算額: 0
・租税公課 予算額: 0、決算額: 3000
・雑費 予算額: 50000、決算額: 40655、摘要: LV学会費、名刺作成ほか
3 予備費 予算額: 100000、決算額: 0
U 経常支出合計 予算額: 2570000、決算額: 1812841
経常収支差額(T-U) 予算額: 1603671、決算額: 2386570
当期収支差額 予算額: 1603671、決算額: 2386570
次期繰越収支差額 予算額: 1603671、決算額: 2386570
会計担当:篠島永一
〔平成20年度 会計監査報告〕
監査の結果、相違ないことを認めます。
平成21年4月10日
会計監査: 和泉森太 近藤豊彦
特別会計収支予算書
就労支援プロジェクト国庫補助に基づく調査研究事業
自平成20年7月1日〜至平成21年3月31日
特定非営利活動法人タートル
(収入の部)
○ 国庫補助金 6800000
(支出の部)
○ 検討委員会費 1288500
・報酬 504000 委員長@18,000、委員@15,000、3回、10人
・旅費 454500 関東@3,500×9人×3回=94,500|関西@35,000×1人×3回=105,000|九州@85,000×1人×3回=2
55,000
・雑役務費 225000 記録作成@25,000×3時間×3回
・会議室借り上げ費 105000 会議室(大)@35,000×3回
○ ワーキンググループ活動費 1671000
・賃金 672000 WG会議@5,600×10人×12日=672,000
・旅費 534000 会議関東@3,500×8人×5回=140,000|関西@35,000×1人×3回=105,000|打合せ(委託会社)@3,500×2人×2回=14,000|調査|関東@3,500×9ヶ所×2人=63,000|東京→新潟@24,000×2人=48,000|中部@3,500+24,000=27,500|関西@@3,500×4ヶ所×2人+35,000×1回×2人=98,000|九州@3,500×1ヶ所+35,000|(大阪→福岡)=38,500
・謝金 213000 訪問調査@5,000×33人=165,000|手土産@3,000×16ヶ所=48,000
・雑役務費 192000 記録作成@12,000×16=192,000
・会議室借り上げ費 60000 会議室(小)@20,000×3回
○ セミナー開催費 700000
・謝金 172000 講師、パネラー
・旅費 228000 九州85,000×2人+大阪35,000+東京23,000
・雑役務費 200000 記録作成@25,000×4時間=100,000)|(資料作成 100,000
・会場費 100000
○ 調査研究・報告書作成費 2300000
・企画・編集 225000 企画・編集150,000|編集・校正75,000
・版下作成・印刷・製本 1700000 版下作成は下記に含む|印刷・製本@550×2,500冊=1,375,000|発送325,000
・謝金 375000 原稿執筆
○ 委託料 300000 ソフト会社への外注
○ 事務費 540500
・賃金 300000 (@5,000×3人×20日)
・交通費 120000 @2,000×3人×20回
・消耗品費 46700 CD-P、コピー、事務用品
・会議費 24300 検討委員会、ワーキンググループ、の茶果代
・通信費 49500 訪問調査連絡、各委員等への連絡、電話、ファクス、インターネット等
○ 合計 6800000
平成20年度監査報告書
特定非営利活動法人 タートル
理事長 下堂薗 保 殿
監査報告
平成20年度会計並びに業務監査をNPO法及び定款に基づき、実施したので、下記のとおり報告いたします。
記
平成20年度収支決算並びに関係書類等について監査した結果、その使途についてはいずれも問題無く、記帳も問題が無いことを認め、ここに報告いたします。
なお、理事定数に関しては前臨時総会時に指摘が行われたように定款上の修正が行われる見通しとなったことから、法人運営の上では円滑な活動が期待できるものと考える。
平成20年4月10日
監事 和泉森太
監事 近藤豊彦
平成21年度事業計画書(案)
平成21年4月1日から平成22年3月31日まで
特定非営利活動法人タートル
1 事業実施の方針
NPO法人として2年目をむかえるにあたり、中途視覚障害者の就労継続の推進に諸機関との連携を更に深めるよう努める。相談事業には、新たに眼科医との連携による相談会の開催を加える。ロービジョンケアが受障の初期段階での障害受容と就労継続に重要であることから、協働を試みる。交流会事業の目的は視覚障害当事者が仲間との情報交換から孤立感や疎外感を払拭し、自信喪失からその回復への動機付け、そして一般社会の人たちへの「見えなくても働ける」のメッセージを送る場として重要な位置を占めるため、それぞれのニーズを把握し内容の革新に努める。情報提供事業は情報誌タートルの発行を中心とするが、交流会の内容を文字として不特定多数の人たちに伝える媒体として充実を図る。また、就労啓発事業に企業と眼科医の啓発や視覚障害当事者の初期相談等に活用できるビデオの作成を行う。さらにセミナーを開催し、広報に努める。
2 事業の実施に関する事項
特定非営利活動に係る事業
事業名: 相談事業
事業内容:
a. 面接による個別相談
b. 電話による個別相談
c. メール、手紙による個別相談
d. 眼科医による個別相談
実施予定日時:
a. 随時
b. 随時
c. 随時
d. 毎月1回(原則第1土曜日)
実施予定場所:
a. 日本盲人職能開発センター
b. 担当者自宅
c. 担当者自宅
d. 日本盲人職能開発センター
従事者の予定人数:
a. 10人
b. 5人
c. 5人
d. 原則眼科医1人
受益対象者の範囲及び予定人数:
a. 障害者、家族、関係者 40人
b. 障害者、家族、関係者 100人
c. 障害者、家族、関係者 100人
d. 障害当事者 20人
支出見込額(千円): 320
事業名: 交流会事業
事業内容: 復職、再就職、就労継続について情報提供、会員相互の交流、情報交換
実施予定日時: 4回(09年 9, 10, 10年 1, 3月) 1回は地方
実施予定場所: 日本盲人職能開発センター 地方
従事者の予定人数: 10人
受益対象者の範囲及び予定人数: 障害者、家族、企業人事担当者、就労支援関係者等 60人×4回 240人
支出見込額(千円): 490
事業名: 情報提供事業
事業内容: 情報誌「タートル」の発行
実施予定日時: 4回(09年 6, 9, 12, 10年 3月)
実施予定場所: 日本盲人職能開発センター
従事者の予定人数: 5人
受益対象者の範囲及び予定人数: 障害者、家族、企業経営者、企業人事担当者、就労支援関係者 500×4回 2,000人
支出見込額(千円): 470
事業名: セミナー開催事業
事業内容: 就労職種、実情、支援機器の紹介、就労の体験発表。参加者に見え方の疑似体験コーナーを設置。並行して機器展示会の実施。
実施予定日時: 1回(09年11月)
実施予定場所: 都内
従事者の予定人数: 5人
受益対象者の範囲及び予定人数: 障害者、家族、企業経営者、人事担当者、就労支援関係者、一般市民(不特定多数) 約200人
支出見込額(千円): 300
事業名: 就労啓発事業
事業内容: 啓発ビデオの作成
実施予定日時: 検討会を設置し、企画・制作。09年 7, 8, 9月の3回開催。ビデオ製作は委託する。
実施予定場所: 日本盲人職能開発センター 4回
従事者の予定人数: 10人
受益対象者の範囲及び予定人数: 企業等不特定多数
支出見込額(千円): 300
平成21年度 特定非営利活動に係る事業会計収支予算書(案)
平成21年4月1日から平成22年3月31日まで
特定非営利活動法人タートル
以下において、金額の単位:円
(経常収支の部)
T 経常収入の部
1 会費収入 1300000
・正会員 1100000
・賛助会員 200000
2 事業収入 62000
・交流会事業収入 12000
・セミナー事業収入 50000
3 補助金等収入 0
4 寄付金等収入 500000
5 その他の収入 2389570
・利息収入等 3000
・前期繰越金繰入 2386570
T 経常収入合計 4251570
U 経常支出の部
1 事業費 1880000
・相談事業費 320000
・交流会開催事業費 490000
・情報紙発行事業費 470000
・セミナー開催事業費 300000
・就労啓発事業費 300000
2 管理費 500000
・役員報酬 0
・給料手当 0
・備品費 20000
・光熱水費 0
・消耗品費 150000
・通信運搬費 150000
・交通費 100000
・印刷製本費 30000
・租税公課 10000
・雑費 40000
3 予備費 100000
U 経常支出合計 2480000
経常収支差額(T-U) 1771570
当期収支差額 1771570
次期繰越収支差額 1771570
NPO法人タートル定款変更箇所
●通称の明記について(「NPO法人タートル」の名称だけだと何をしているかが分かりにくいため、通称をつける。当面は中途視覚障害者に限定しておく。)
(名称)
第1条 この法人は、特定非営利活動法人タートルという。
【変更後】
*第1条 この法人は、特定非営利活動法人タートルといい、通称名を中途視覚障害者の復職を考える会とする。
●理事の定数に関して(定数の幅に余裕をもたせる)
第13条 この法人に、次の役員を置く。
(1) 理事 9人以上15人以内
【変更後】
*(1) 理事 3人以上20人以内
●電磁的方法が可能になったことに関すること(電子メール等の連絡手段が認められたことに伴うもの)
(総会の開催)
第23条 通常総会は、毎事業年度1回開催する。
2 臨時総会は、次に掲げる場合に開催する。
(1) 理事会が必要と認め招集の請求をしたとき。
(2) 正会員総数の5分の1以上から会議の目的を記載した書面により招集の請求があったとき。
【変更後】
(*2) 正会員総数の5分の1以上から会議の目的を記載した書面又は電磁的方法により招集の請求があったとき。
(総会の招集)
第24条 総会は、前条第2項第3号の場合を除き、理事長が招集する。
2 理事長は、前条第2項第1号及び第2号の規定による請求があったときは、その日から30日以内に臨時総会を招集しなければならない。
3 総会を招集する場合には、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面又は電子メール、点字(以下、「書面等という」、以下この定款において同じ。)をもって開催の日の少なくとも5日前までに通知しなければならない。
【変更後】
*3 総会を招集する場合には、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面又は電磁的方法をもって開催の日の少なくとも5日前までに通知しなければならない。
(総会での表決権等)
第28条 各正会員の表決権は平等なものとする。
2 やむを得ない理由により総会に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について書面をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することができる。
【変更後】
*2 やむを得ない理由により総会に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について書面又は電磁的方法をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することができる。
(理事会の招集)
第33条 理事会は、理事長が招集する。
2 理事長は、前条第2号の規定による請求があったときは、その日から14日以内に理事会を招集しなければならない。
3 理事会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面等により、開催の日の少なくとも7日前までに通知しなければならない。
【変更後】
*3 理事会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面又は電磁的方法により、開催の日の少なくとも7日前までに通知しなければならない。
(理事会の表決権等)
第36条 各理事の表決権は、平等なものとする。
2 やむを得ない理由のため理事会に出席できない理事は、あらかじめ通知された事項について書面等をもって表決することができる。
【変更後】
*2 やむを得ない理由のため理事会に出席できない理事は、あらかじめ通知された事項について書面又は電磁的方法をもって表決することができる。
●附則の追加について
附則 この定款は、平成21年4月1日より施行する。
平成21年度役員等(案)
(理事・監事)
理事 下堂薗 保
理事 松坂 治男
理事 安達 文洋
理事 新井 愛一郎
理事 石山 朋史
理事 大橋 由昌
理事 大脇 俊隆
理事 金子 光弘
理事 工藤 正一
理事 篠島 永一
理事 杉田 ひとみ
理事 藤井 貢
理事 堀 康次郎
監事 和泉 森太
監事 近藤 豊彦
(運営委員)
省略