第2回 データや資料をいつでも活用できるために どのように保存していくか 開催日 2016年12月3日  情報提供 西田 朋己 氏 (民間企業 事務職) 新井  愛一郎 氏 (NPOタートル) ●実施内容 第1部 フォルダやファイルに素早く到達する ◆情報提供(西田氏) 「検索」を使わずに、ファイルに素早く到達する方法 ※注意:この情報はWindows7、Office2010について述べています。 ★前提 ・フォルダはわかりやすく構造化しましょう。わかりやすければ、すぐに目的のフォルダに到達できます。 年度毎のフォルダ、取引先別のフォルダ ・ファイル名は内容がわかるようにつけましょう。不用なファイルを開いて確認する無駄が省けます。 ★時々直面する問題 でも、職場のルールで思い通りにはならないよね・・・。 (特にファイルサーバーについて) 【フォルダの例】 2000年度見積もり、2001年度見積もり、2002年度見積もり・・・・・2016年度見積もり ★素早くファイルに到達するいくつかの方法 1.ファイルまたはフォルダへの、ショートカットを作成しておく。 @フォルダまたはファイルを選択してコピーする。 Aショートカットを置きたいフォルダに移動する。 B「編集」メニュー。 C「↑」、「↓」で「ショートカットの貼り付け」に移動して「Enter」。 実演では、「2016年度」というフォルダと「NPOタートル様見積.xlsx」というファイルのショートカットを作成して、そのショートカットからそれぞれのフォルダやファイルを開いた。 2.「最近使った○○○」を活用する。 (1)スタートメニューの「最近使った項目」 @スタートメニュー A「↑」、「↓」で「最近使った項目」メニュー B「→」でサブメニューを開く ※最近使ったファイルの一覧が表示される。 実演では、先程開いた「NPOタートル様見積.xlsx」というファイルを開いた。 (2)各プログラムの最近使ったファイルを開く @スタートメニュー A「↑」、「↓」でプログラムに移動。 B「→」でサブメニューを開く ※最近使ったファイルの一覧が表示される。 実演では、スタートメニューのExcelで「→」を押してサブメニューを表示して、先程開いた「NPOタートル様見積.xlsx」というファイルを開いた。 (3)WordやExcelの「最近使った○○○」 @「ファイル」メニュー A「↑」、「↓」で「最近使った○○○」に移動。 B「→」でサブメニューを開く。 C「↑」、「↓」で目的のファイルを選び「Enter」。 【Excelの場合】 @「ファイル」メニュー A「最近使ったブック」 実演では、先程開いた「NPOタートル様見積.xlsx」というファイルを開いた。 3.意外と使える「ファイルの場所を開く」 ショートカットや最近使ったファイルで @「アプリケーションキー」、「↑」。 A「↑」、「↓」で「ファイルの場所を開く」に移動して「Enter」。 実演では、スタートメニューの「最近使った項目」の中にあった「NPOタートル様見積もり.xlsx」で上記の操作を実行して、このファイルが入っているフォルダが表示されることを示した。 また、スタートメニューのExcelで「→」でサブメニューを開き、そこにあった「NPOタートル様見積もり.xlsx」で上記の操作を実行して、このファイルが入っているフォルダが表示されることも示した。 ◆会場からの質問 ※ショートカットの作り方について。 ★Q1:例えば、「2016年度」というフォルダへのショートカットを作りたい場合、「2016年度」というフォルダをコピーして、次に編集メニューで貼り付けるということでよいか。 A1:まず、手順の第1段階では「2016年度」というフォルダをコピーするだけ。ここで私は編集メニューを使ったが、ショートカットキー「Ctrl+C」でコピーしてもよい。 次の段階で、「2016年度」というフォルダへのショートカットを作りたいフォルダを表示する。 Q2:今言った「表示させる」とは、例えば、「ドキュメント」を表示させるということか。 A2:その通り。「ドキュメント」にショートカットを作りたい場合は、スタートメニューから「ドキュメント」を選択して表示する。 Q3:次の手順でショートカットを作るということでよいか。 A3:その通り。(この段階で)編集メニューの「ショートカットの貼り付け」を選択すればよい。 ◆会場からの情報提供 ★インクリメント検索 【会場からの情報提供】 ファイルの一覧でファイル名の先頭の何文字かを入力して、目的のフォルダやファイルを選択する『インクリメント検索』という機能がある。 (1)英数字でインクリメント検索したい場合 例えば、「2016年度」のフォルダを選択したい時は、 2、0、1、6の順番でキーを押す。 日本語でインクリメント検索したい場合 例えば、「環境設定」というフォルダを選択したい場合は、 @日本語入力オンにする。 A「かんきょう」と入力。 B「Space」で変換。 C「Enter」で変換を確定。 ★ファイルの並び順を工夫する 【情報提供】 ・頻繁に使うファイルは、ファイル名の「a」を付けると、ファイル一覧の一番上に表示される。 ・先頭に付ける文字としては、「a」より「1」の方がより上に表示される。 【情報提供者より補足】 (1)目的のフォルダやファイルが、ファイル一覧の一番下にあるのが事前にわかっていれば、ファイル一覧で「Endキー」を押すだけで、そのフォルダまたはファイルを選択できる。 (2)ファイルの表示の順番の並べ替え @ファイルの項目ビューにカーソルがある状態で、「Tab」。 A「→」、「←」で「名前」に移動して「Enter」。 ファイルの並び順がファイル名の降順になる。 Bもう一度同じ操作をすると、ファイルの並び順はファイル名の昇順になる。 (3)ファイル名の先頭に記号をつけると、ファイルの並び順はより上に表示される。 実演では、ファイル一覧で一番下に表示されている「2016年度」というフォルダの名前を、「★2016年度」として、このフォルダがファイル一覧で一番上に表示されるようになることを示した。 【会場からの補足】 ファイルの表示の優先順位は「記号」→「数字」→「文字」の順番。 【情報提供者からさらに補足】 Windows7から、ファイルの表示の優先順位の認識について、半角と全角を区別しないようになったようである。 当日は、「2014年度」というフォルダ(数字が半角)を「2014年度」と数字を全角に変更して、そのフォルダの表示順番に変化がないことを確認した。 ★ファイルの表示の順番を工夫する 【会場からの情報提供】 (1)先程、話に出た、表示の順番の並べ替えで、更新日時順を並べ替えのキーに指定すると、そのフォルダ内で一番最後に使ったファイルが先頭に表示される。 (2)ファイルの表示の順番の並べ替えで、並べ替えのキーとなる項目を指定するのに、「表示」メニューの「並べ替え」を使う方法がある。 @「Alt」 A「→」で「表示」メニューに移動。 B「↓」で「並べ替え」に移動。 C「→」でサブメニューを開く。 D通常は「名前」にチェックが入っている。 「↓」で「更新日時」に移動して「Enter」すると、ファイルの並び順は更新日時順になる。 (3)デスクトップに、フォルダやファイルのショートカットを作る簡単な方法がある。 @フォルダまたはファイルを選択する。 A「アプリケーションキー」。コンテキストメニューが開く。 B「↓」で「送る」に移動。 C「→」でサブメニューを開く。 D「↑」、「↓」で「デスクトップ(ショートカットを作成)」に移動して、「Enter」。 当日は、「NPOタートル様見積もり.xlsx」というファイルのショートカットをデスクトップに作成。 ★デスクトップについて 【情報提供者から補足】 エクスプローラーでデスクトップを表示する方法。 @エクスプローラーでツリービューに移動。 A「↑」、「↓」で「デスクトップ」に移動して「Enter」。 B「Tab」で項目ビューに移動する。 通常のエクスプローラーと同じように「↑」、「↓」の上下移動だけでデスクトップの項目を選択できるので簡単。 【会場からの情報提供】 (1)以下の方法でデスクトップの項目に素早く到達できる。 @「Windowsキー」を押しながら「D」。 表示がデスクトップに切り替わる。 Aデスクトップの項目の最初の1文字を入力する。 例えば、先程作成したデスクトップ上の「NPOタートル様見積もり」というショートカットならば、頭文字の『N』を押す。 (2)この例の場合だと、「N」で始まる項目が複数ある場合は、「N」を押すたびに、ファイルの選択は順次次の項目に移動する。 ★エクスプローラーの「最近表示した場所」について。 【情報提供者からの情報提供】 @エクスプローラーでツリービューに移動。 A「↑」、「↓」で「最近表示した場所」に移動して「Enter」。 B「Tab」で項目ビューに移動。 ※最近表示したフォルダの一覧を見ることができる。 ★新しいフォルダを作成するショートカットキー 【会場からの情報提供】 新しくフォルダを作成するには、以下のショートカットキーが便利。 「Ctrl+Shift+N」 第2部 ロービジョンのためのフォルダやファイルの整理 ◆情報提供(新井氏) ★前提条件 ロービジョンの人は、裸眼で見える文字の大きさを知ることが大切。 例えば、マジックで書けば見えるという人は多い。 整理するにあたって一番大切なことは、自分の見える範囲の文字でどこまでファイルを作れるかということ。 ★体験談 韓国語を勉強していた時、韓国語の辞書のページの上隅欄外に、そのページに掲載してある単語の範囲が書かれていたので、その部分を、自分でサインペンで書いた。 結局単語の解説そのものはルーペで読むのだが、最初のページ探しからルーペを使うと大変なので、可能な限り細かい項目まで、自分の裸眼で移動できるように整理したのである。 ★前半の話題に例えるなら 書棚があって、年度別のボックスに書類が並んでいるとする。年度、例えば「2016年度」を大きく書いておけば、目的の年度のボックスに到達することが容易になる。 次に、そのファイルの中の書類が月毎にビニールのファイルケースに入っているとするなら、ファイルケース「1月」などと大きく書く。さらに、1日、2日・・・と日毎に書類を分けてあれば、そのファイルケースに日付を大きく書く。 ★書き方について 多くの文字はいらない。たくさんのものから、自分の残存視力を使って、目標のものへ行けるように、きちんと作っておくことが大事。 ★このような工夫をしない場合 例えば、ファイルの上にただ書類が積み重なっているとする。 私(情報提供者)は、1枚ずつルーペで見ることから始まってしまう。 ★まとめ (1)要するに、自分の見える範囲の文字でファイルをどれだけ整理しておくかということ、それが重要だと思う。 (2)最後は、細かい文字のA4プリントが残って、それをルーペで見ることにはなるが、そこまで行くのに自分の残存視力をどうやって使うかが大事。 (3)使う筆記具は、マジック、サインペン、B6(鉛筆)、いろんな人がいると思うが、自分の見える範囲での表記でファイル分けをするというのが、いい方法だと思う。 (4)整理のコツは、 ・これまで述べたような工夫できちんと作っておく。 ・何かでたら、そこにきちんと置いておく ・他の誰かが取ろうと思った時にもすぐ取れる。 以上のようなことがコツだと思う。(なかなかうまくできなくて苦労しているが・・・)。